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第十二章・5

 シャワーを浴び、髪を、体を洗い、二人は一緒にバスタブに浸かった。  その時、涼雅は翠の視線に気づいていた。  ちらちらと、涼雅の性器に目をやっているのだ。 (今日は、どうしたんだ。一体)  無体なことをされた過去が、フラッシュバックしなければいいが。  涼雅はそればかりを心配していたが、翠の言動は彼を驚かせるものばかりだった。 「ね、涼雅。涼雅のここ、ちょっと触ってみても、いい?」 「え!?」 「少しだけ。ね?」 「だ、だだ、ダメだ!」  ケチ、と唇を尖らせ、翠はいったん諦めたようだったが、次にも刺激的なことを言ってきた。 「涼雅は、一人エッチ、ってしたこと、ある?」 「え!?」 「正直に。ね?」 「……あるよ」  途端に、翠は目を輝かせた。 「ホント? やって見せて!」 「そ、それだけは!」 「じゃあ、やり方を教えて!」  一体全体、どうしたんだ。翠は!

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