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第十二章・7

「あ、んぁ。そこ、ダメ……」 「痛いか?」 「ううん。あッ、あんッ。や、止めないで。もっと、して……」  はぁはぁと息を荒げ、悶える翠。  そんな彼を背後から抱きながら、涼雅は後悔していた。 (対面座位で、お願いするべきだったな)  そうすれば、今の翠の表情や息遣いが全て手に取るように味わえただろうに!  それと、もう一つ問題が。 「ね、涼雅。お尻に、何か硬いものが当たってるんだけど」 「そ、それは」  不覚にも充血してしまった、涼雅のペニスだ。  これで、凌辱された記憶が生々しく甦っては、一大事だ。  涼雅は、翠の耳元で、優しい言葉を吐いた。 「翠があんまり可愛いから、私の性器も硬くなったんだよ」 「ぼ、僕が?」 「そう。翠は、魅力的すぎる。すごく、素敵だ」 「嬉しい……」  ふるっ、と震え、翠は静かに精を吐いた。 「あ、あぁ、あ! ……っあ、ぅん、ん……ッ」  涼雅は、そんな翠のうなじに、そっと口づけた。

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