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第十二章・8
「あぁ、さっぱりした!」
ドライヤーで髪を乾かしながら、翠はご機嫌だ。
「青海くんはね、体が火照った時に、彼氏が傍にいないことがあるんだって」
そんな時に、青海は一人エッチをするのだ、と翠は涼雅に説明した。
「でも僕は、幸せだね。いつも涼雅が一緒に居てくれるから」
「そうだな」
しかし……。
(私の体の火照りは、どうしたら……!?)
半勃ちのまま、涼雅は翠と共にベッドに入らなければならなかった。
しかし、これで翠を抱こうものなら、確実に彼に悪影響を与えるだろう。
(翠が眠ってから、自分で処理するか)
そう思っていると、その翠がこちらを向いてきた。
「ね、涼雅。僕も、涼雅にしてあげたい」
「え!?」
「お風呂で覚えたこと、実践したいんだ。涼雅のために」
涼雅のために、という言葉が、嬉しい。
「しかし」
「いいから、いいから。お願い」
すぐに、涼雅のパジャマに手が掛かった。
前をずらされ、翠の小さな手が潜り込んでくる。
「み、翠」
「涼雅。……愛してる」
だから、やらせて。
翠の、初めての奉仕が始まった。
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