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第十三章・6

 首筋を優しく舐め、鎖骨を甘く噛む。  涼雅の温かな愛撫は、翠の官能を少しずつ解いていった。 「はぁ、はぁ。あぁ……、んっ」  ダメ。  声が出ちゃう。 「は、恥ずかしぃ」 「もっと、声を聞かせて。恥ずかしく、ないから」 「涼雅は、声を。僕の声を、聞きたいの?」 「聞きたいな。すごく、セクシーだ」  涼雅の言葉は、翠を舞い上がらせた。 (僕のこと、対等に見てくれてる。一人前に、扱ってくれてる)  そう思った瞬間、涼雅の舌が翠の小さな乳首をとらえた。 「あ、ぁんッ!」 「いいよ。可愛い」 「う、ぅう。ふ、ぅん……。あっ、あッ、んんぁ!」  ヤだ。  何、これ。  体中に、甘い痺れが走って……! (有島さまにされた時は、気持ちが悪いだけだったのに)  今は、ただ心地いい。  いや、心地いいと言うには、刺激的すぎる。 「はぁ、あ。涼雅、りょう、がぁ……」  翠の手は、いつしか涼雅の頭を抱え込むように抱いていた。

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