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第十四章 愛を越えて

 涼雅に優しく触れられた翠は、心から安堵していた。 (あ、大丈夫。涼雅になら、されても平気)  以前は有島に荒々しくかき回された後膣だが、今夜は違う。  愛する人に触れられる行為は、喜びに満ちていた。 「ん……、っあ。ふ、ぅ」 「もう少し、深く入れるよ」  涼雅の指は、翠にすんなりと受け入れられる。  オメガの体液が、それを助けてくれる。 (僕のここ、濡れてる。こんなの、初めて……)  そして、下腹部が熱く火照ってくる。  体内から沸き起こる疼きを、抑えられない。 「う、あぁ。んっ、んッ、んうぅ」  甘い翠の声を聞いて、涼雅もまた喜びを噛みしめていた。 (翠、大丈夫のようだな)  もちろん拒否されれば、すぐに止める心づもりではいる。  それでも自分を受け入れてくれた翠に、愛しさがこみ上げてくるのだ。 「少し、触ってみるから」 「え?」 「前立腺、というスポットだ」  涼雅の指が、翠の腹側を探って来た。

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