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第十四章・3
「怖くはないか?」
「うん、平気」
翠は片手で目を隠し、片手でしっかりと涼雅の腕をつかんでいた。
「あ、あぁ、あ。ふぅ、あぁ……」
ここが、僕の感じるところ。
ダメ、何だか……、何だか……!
腰から力が抜け、痺れてくる。
下半身の自由が利かず、淫らに蠢いてくる。
翠の動いたはずみで、涼雅の指が強く敏感な部分を擦った。
「あぁ、あ!」
「いい感じだ、翠。気持ちが悦いか?
「あ! はぁ、あ! んッ、う。んあぁ!」
たっぷりと優しく苛めてくる涼雅の指に、翠は再び精を吐いた。
はぁはぁと息を荒げながら、翠は涼雅の頬に手を当てた。
「ね、涼雅。お願い、このまま来て……」
「しかし」
「大丈夫。僕は大丈夫だから、ね」
涼雅は翠の顔色をうかがいながら、キスをした。
キスをしながら、自らを翠の蕾に押し当てた。
(翠さえいいのならば、私は)
愛しい人と、一つになりたい。
それは、涼雅も同じだった。
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