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第十四章・5
「う、うぅ。あぁ、ダメ。ダメダメダメ、イくぅ! イッちゃうぅ!」
勢いよく飛んだ翠の精は、涼雅の腹まで届いた。
その温かな刺激に、涼雅もまた一気に駆け上がった。
「翠、愛してる」
「あぅ。はぁ、はぅ、ひぅ。んッ、ダメ! また、クる……ッ!」
翠と涼雅は、ほぼ同時に達していた。
「翠……!」
「あぁああ! これ、これ凄い……ッ!」
イッている最中に、体内に精を受け止めたのだ。
翠の体は、熱く蕩けそうなエクスタシーに襲われた。
ひくひくと痙攣する、華奢な肢体。
涼雅はそれを、胸に抱きとめた。
互いの下肢の震えを感じ取っていた。
「涼雅……」
「翠、すまない。スキンも着けずに」
「ううん。あったとしても、そのままが良かった」
「アフターピルを、用意するよ」
「ありがとう」
ちゅ、と翠は涼雅にキスをした。
これが、セックス。
本当に愛する人との、甘美なひととき。
「僕、涼雅とセックスできて、嬉しい」
本当に、嬉しいよ。
翠の瞳には、嬉し涙が光っていた。
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