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第十四章・7
翌日のカフェで、青海は違和感を覚えていた。
「翠、ミントティーとカモミールティーを、一つずつ」
「うん」
涼雅と翠、こんなありふれた会話なのだが、どこか違う。
(何か、あったのかな)
どこがどう、とは言いにくいのだが、しいてあげれば、距離感。
「ぐっと、縮まった気が、するんだよね」
休憩室で、青海は翠にそう持ち掛けていた。
「何か、あったの?」
「……あった」
「もしかして……、エッチした?」
「……しちゃった!」
わぁわぁきゃあきゃあと、二人はソファで転げ回った。
「そっか、おめでとう!」
「ありがとう!」
「どうだった? 優しくしてくれた?」
「すっごく、優しかった」
うんうん、と青海は何度もうなずいていた。
「能登さん、恋人を大切にするタイプだよね」
「青海くん、いろいろアドバイスを、ありがとう」
そんな翠に、青海はまた別の表情を見ていた。
「翠くん、何か変わったね」
「僕が? どんな風に?」
「こう、強くなった気がする」
その言葉に、翠は心を打たれた。
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