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第十七章・6
「どうする? 今夜はもう、やめようか」
「ううん。したい……」
そっと翠の唇からその言葉が漏れた途端、オメガの体液が秘所からあふれてきた。
「記念日だもん。愛し合いたい、涼雅と」
「ありがとう、翠」
涼雅は上体をかがめ、翠の額にキスをした。
「来て」
「挿れるぞ」
ローションの助けもあって、涼雅は今までで一番すんなりと翠の体内に潜り込んでいった。
「あぁ、あ。っく、うぅ、んッ」
「キツくはないか。平気か?」
「はぁ、はぁ、あぁ……。それはキツいに決まってるよ。涼雅のサイズだもん」
「すまないな」
半ばまで腰を入れ、涼雅は一度止まった。
薄く口を開き、頬を染めて深い息を吐く翠が、艶めかしい。
「どうしたの?」
「いや、美しいと思って」
「……嬉しい」
「動くぞ」
自分の言ったことに自分で照れながら、涼雅は腰を退いた。
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