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第十七章・9
「あ、はぁ、あ! あッ、あぁ! はぁあん!」
ひくひくと痙攣する翠の体に、涼雅はしっかりと腰を擦り付けた。
骨が軋み、肌が焼ける。
それほど深いオーガズムを、二人は味わっていた。
「……うぅ。どうしよぅ、気持ち悦いよぅ」
「私もだよ、翠」
頬ずりし合って、愛を確かめ合った。
口づけし合って、情を深め合った。
やがて一つになった体は二つに分かれ、再び涼雅と翠に戻った。
「翠、寝てしまったのか?」
「……」
すやすやと安らかな息の翠は、満足げな表情だ。
涼雅は彼の体をウェットティッシュで清め、パジャマを着せてやった。
可愛い寝顔の頬に、キスを一つ落とした。
「翠。私と、結婚して欲しい」
「……うん」
「何だ、起きてたのか?」
「……」
「寝言か」
寝てまで、いい返事をしてくれたのだ。
涼雅もまた、満たされた気持ちになった。
「幸せにするよ、必ず」
朗らかな誓いを胸に、涼雅は瞼を閉じた。
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