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ヨダレの跡がないかって口元をゴシゴシしてたら、そうっと手を掴まれた。 「どうなさいました? 質の悪い虫にでも刺されて痒くなられたとか? さ、私にちゃんとお見せください」 『……っ』 アルフリートが僕の顔を覗き込む。 「……? お顔がほんのり赤くなられて…。 いけませんね、熱がおありなのでは」 違うの。 物凄く近くで見つめられて、メチャクチャ恥ずかしいの…っ。 「高い熱ではないといいのですが……」 ぴとっ。 『………………っ?』 なに? なになに…? 前髪をかきあげてるのはアルフリートの手。 もう片方の手は僕の肩。 じゃ、おでこに当てられてるのは…? なぁに……? 「雫さま?」 『……………………っ』 どくんっ。 どくんっ、どくんっ。 どっ、どっ、ど…っ。 耳の奥で凄い音がする。 頭がクラクラして…目の前が暗くなった。

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