18 / 22
・
ヨダレの跡がないかって口元をゴシゴシしてたら、そうっと手を掴まれた。
「どうなさいました?
質の悪い虫にでも刺されて痒くなられたとか?
さ、私にちゃんとお見せください」
『……っ』
アルフリートが僕の顔を覗き込む。
「……?
お顔がほんのり赤くなられて…。
いけませんね、熱がおありなのでは」
違うの。
物凄く近くで見つめられて、メチャクチャ恥ずかしいの…っ。
「高い熱ではないといいのですが……」
ぴとっ。
『………………っ?』
なに?
なになに…?
前髪をかきあげてるのはアルフリートの手。
もう片方の手は僕の肩。
じゃ、おでこに当てられてるのは…?
なぁに……?
「雫さま?」
『……………………っ』
どくんっ。
どくんっ、どくんっ。
どっ、どっ、ど…っ。
耳の奥で凄い音がする。
頭がクラクラして…目の前が暗くなった。
ともだちにシェアしよう!