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毛穴が目立たない綺麗な肌。
夜の闇を溶かし込んだような艶やかな黒髪。
うなじから首筋へのラインは文字どおり中性的。
軽く握った手を添えた口元。
微かに笑みの形を取る唇は、プックリとして花の蕾かサクランボのようだ。
クリクリとした黒い瞳を塞いでいる瞼。
その瞼を縁取る長い睫毛は、瞬きの度に音がしそうな気がする。
思春期の男子とは思えない可憐さなのだ。
「雫さま、おはようございます」
やや低めに声をお掛けすると、オニキスのような瞳があらわれた。
『お、おはようっ、アルフリート』
全くスレていないので、飛び起きてはにかむ表情が初々しいと言うか可愛らしいのだ。
「…………?」
ほんの少し物思いに耽られると、突然パジャマの袖で口元をゴシゴシし始める。
そんなに擦ってしまっては、口元が擦りきれてしまいそうだ。
「どうなさいました?
質の悪い虫にでも刺されて痒くなられたとか……?
さ、私にちゃんとお見せください」
手を掴んで覗き込むと、肌がほんのり染まってしまわれた。
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