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第96話「どうしたら」*奏斗

「――――……は、すげーな……」 「……あ、う……っんん……」 「何これ……しめすぎだっつの……」  少し腰を引きながら、四ノ宮が少し眉を寄せる。  ぞく、とする位。――――……色っぽい、のかも。  性的に見た事、なかったけど。  こいつ、こうしてる時――――……すごいエロイ。  いつもあんな爽やかな王子スマイルしてるくせに……。 「――――……しの、み、……」  何でオレ達、こんな事になってンの……。  抱いて欲しがったって――――……オレ、何で、そんなこと……。 「……あ……っあ、ン――――……」  何度もイかされて――――……なんかずっと、イってるみたいな感覚。  そんなの、初めて、で。 「……あ、っンぅ……っ――――……っひ、ぁ……」  手首を掴んでいた手が、オレの手に触れて。  まるで手を繋いでるみたいに、絡ませてくる。 「――――……っ」  快感を逸らそうと顔を背けた先で、そんな手を見て。  なんかもう頭の中まで、全部奪われそう。  なんで、こんなことになってるんだろう。  オレ何か、盛られた……?  それで、オレが抱いてほしいって……言ったの? 四ノ宮に? 「っ、あ――――……っしの、みや……」  首に舌を這わされて優しく噛まれて、ゾクゾクが背筋、かけあがる。 「……っしの――――……っなん、で……」  きもちいいのが、きつい。  涙、滲んでぼやけるけど。必死で、名前を呼んだら。 「――――……」  四ノ宮は顔を上げてオレを見つめてから。 「――――……終わったら話してあげますから……集中して」  言いながら、唇が重なってきて、舌が絡む。  もう、キスが嫌とか言ってる余裕もない。 「……んん、ン……っ――――……っ」  ダメだ。 こいつとすんの――――……。  頭おかしくなる。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「――――……」  部屋、静か。  ……もう、オレの声、しない……。  オレは、俯せで、倒れていた。  最後覚えてる。  バックで突かれて――――…… もうどうしようもないくらい、  真っ白で。  色んなとこ一緒に刺激されて、後ろ向かされて、キス、されて。  そこで、意識。飛んだんだ。  ……なんなの四ノ宮……。  あのルックスで、噂通り色んな事が出来るとして。  ……こっちまでやばいとか。 マジで、勘弁して。  意識が無くなったなんて初めてだった。  キスを、避ける余裕もないなんて。  ――――……和希と別れてから、色んな奴としたけど……。  一切の余裕がなくなって、あんなに乱れたの……初めてで。  ――――……あれなのかな。  なんか盛られて、意識飛んでたなら、そのせいで、  あんなにオレ、乱れたのかな――――……。  どっちにしても。  はー――――……。  もう今、このまま静かに消え去りたい……。  四ノ宮と顔、合わせないまま、消え去れたら楽なのに……。  ……四ノ宮の気配はしないけど。  寝てるのかな……。ここまだ、ホテル、だし。  うっすらと目だけ開ける。  目、覚めたら、後輩のが入ってるとか。……しかも男同士なのに。  ――――……そんな修羅場って、人生に、あっていいいのか……。  あ。  なんかオレ、抜けよとか、色々口走ってたな……。  初めての男になれとか…… 何言ってンだ、マジで。  最大の混乱状態で。  ――――……とりあえず抜かなきゃって思ったのに。  つかなんなの、四ノ宮。  ゲイじゃないだろ、絶対……。  頼まれても、ほっといてくれたら良かったのに……。  あんな、一生懸命抱いてくれなくて、良かったのに……。  ……って、一生懸命って何だ……。バカ、オレ。  ――――……でもなんか。  熱っぽい顔で。こっちがゾクゾク、する位。  無理矢理やらされてる感は無かったけど――――……。  何のつもりで、四ノ宮、したんだろう。  はーほんと……どうしたらいいんだろう。  身動きして、四ノ宮が起きたら嫌なので、ぴくりともうごけないまま、  延々、何の解決にもならないことを、考え続けるしかない。

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