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第295話◆番外編【耳かきの日】
Twitter(@yuuri_likes)であげたSSです。
◇ ◇ ◇ ◇
「あはは、面白い―」
「んー?」
テレビを見てたら、今日は何の日か話してた。
「今日ね、三月三日で、みみかきの日なんだってさ。四ノ宮知ってた?」
「知らない。ぁ、奏斗、やってあげようか?」
言いながら、四ノ宮が耳かきを出しに行って、床にあぐらをかいた。
「え? 耳かき? いいよ、やんなくて」
「いいから、奏斗、ほらおいで」
「……んー……」
なんか嫌な予感のまま膝枕をされてしまう。なんでオレいつも言うままなんだろ……。
「じっとしててね」
「…………っ」
なんか、すでに、めちゃくちゃくすぐったいんだけど……っっ
「しのみや、もう、いい……」
「動いたら危ないよ」
「……っっ」
ものすごく優しく、さわさわ触れられてるし。無理無理無理……。
「……や、」
ぴく、と震えると、四ノ宮がクスクス笑いながら、オレの頬に触れていた手を、するりと首筋に這わせた。
「ひゃ……」
「ほらほら、じっとしてなね……?」
耳の中に耳かき入ってるから動けないし、なのに、耳の裏とか、首筋に指が……。
「……んん」
なんか変な声でた。わーん、もーやめてー。ぎゅっと目をつむると、クスクス笑いながら四ノ宮が耳かきを外した。
「あんま取れないね?」
「オレたまに自分でやってるし……っっ」
ああ、もうなんかぞわぞわする! ぞくぞくっていうか……ああもう最悪!
手で、耳をこしこし擦って、その感覚を消していると、その手を押さえられた。
「え」
引き寄せられて、四ノ宮の唇が耳に近づいてきて。ふ、と息を吹きかけられた。
「ひゃ……っ!!」
めちゃくちゃびくついて、変な声が漏れると。四ノ宮はびっくりしたみたいにオレを見てから、クスクス笑った。
「はは。かわいーね、奏斗」
言いながら頬にキスしてくる四ノ宮を引っぺがす。
「もうお前きらい!! 帰る!!」
家に帰ろうと立ち上がると、腕を取られて、すぽ、と抱き締められた。
「……っっ」
「帰んないで、もう遊ばないから」
「……っっ」
「カフェオレ入れてあげるから。ね?」
「…………っ」
「甘い奴がいい?」
「……うん」
カフェオレ飲みたさで頷くと、クスッと笑って四ノ宮が離れてく。
ぞわぞわした耳を、手でゴシゴシしながら、ふーと息をついた。
◇ ◇ ◇ ◇
2023/3/3 みみの日&みみかきの日&ひなまつり&優月の誕生日(*´艸`*)♡
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