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第328話「おかしい」*奏斗 ※

 それから、写真を撮るとか撮らないとか、しばらくやりとりした。とりあえず二号の撮影だけになって、そのふざけた感じのまま寝る準備をして、寝室に向かった。  何となくそんな雰囲気だったし、昨日と同じで、ただ寝るだけかなと思ったのに。  寝室に入ってベッドに腰かけると、四ノ宮に、ゆっくり押し倒されそうになった。  するのが当たり前じゃないし、むしろ、しちゃだめなんじゃないかと、思ってるくらいだし。ていうか、そもそも、オレは自分ちで寝ればいいと、そこから思うし。  オレは今日したくないから、してくれなくていいよ、と言ったら、今日はオレがしたいから付き合って、と言われた。何て答えるべきなんだろう。と、本気で迷った。  四ノ宮は、前は、オレが誰かのところに行きたくなるならするって言ってた。それだって、意味が分かんないけど。最初は、危ないからってずっと。心配して言ってた気がする。  ……なんか、だんだん変わってきて。  四ノ宮がしたいから、って。……最初言ってたのと、全然違う。  戸惑いまくっている間に、キスされて。  ……キスされたら。もう。抗うことが出来なくて。  丁寧に。……もう嫌だって位、めちゃくちゃ解されて気持ちよくさせられてから、四ノ宮を受け入れた。 「……っンん、ん……ぁ……っ」  なんか……。   本当に、まずい気がする。 「……っあ、ン…………ぁ……!」  気持ちよすぎて、訳が分からなくなるなんて。  頭まっしろで、そのままどこかいっちゃいそうで。耐えられなくて、泣く、なんて。  ……今まで無かったのに。  体の中の感覚に、耐えられなくなって、仰け反ったら、その唇を深く塞がれた。舌が挿し込まれて、オレの舌を絡めとる。思うままキスされて、上顎をなぞられて、ブル、と震える。 「……っ……っん ……あ!……」  知らずに締めたそこを深く突かれて、逃げてしまいたくなる。でも、めちゃくちゃキスされたまま抱き締められてるので、全然動けず、上に逃げることもできなくて。  強い快感に、頭が真っ白になる。 「……奏斗」  耳元で囁かれて、首筋に舌が触れる。  ぞく、と震えて、四ノ宮を締め付けると、なんだかより快感が走って、唇をかみしめる。 「……声、出してて」  すぐに唇に舌が触れてきて、自然と開いてしまった口に、四ノ宮の舌が入ってくる。 「……ふ……っんん……ン、ぅ……」  上も下も、四ノ宮でいっぱいに塞がれてる気がして。息もまともにできなくて、四ノ宮の為すがまま。ただただ、浮いてるみたいな感覚に支配される。  おかしい。こんなの。 「……んん、あ……ッ」 「……声、かわいい」  笑いを含んだ、でも、今は、すごく熱を孕んだ瞳で見つめられて、体の奥の方が、疼く。  ……こんなの、絶対、おかしい。 「奏斗」 「……っぁ……」 「――――……きもちいい?」 「……ッ……ん、ふ……っ」  そんな風に聞かれて。  ……素直に気持ちいい、なんてすぐ言えるほど、まだ、トんではない、けど。 「……の、みや……っ」  その首にぎゅ、としがみついた。  

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