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第358話「初めて」*大翔 ※
「奏斗、超眠そうだけど」
「……っ」
「ごめんね?」
パジャマの中、素肌に手を滑らせると、びく、と反応する。
「……っ謝るの……そこじゃ、ないし」
「そう? そこ以外は、謝ること思い付かないんだけど」
奏斗をオレの方に向けさせてから、そのまま奏斗の頭を枕に沈めさせて、組み敷いた。
「……どうしても、嫌なら、やめるけど」
手首をつかんで、ベッドに押し付ける。ちゅ、と首筋にキスすると、びく、と体が反応する。
「……やめる、気、ある?」
「……無い、かな」
笑ってしまうと、奏斗は、むー、と口を噤む。
「明後日合宿だから明日は絶対早く寝かせるし、明日の朝もギリギリまで寝かせといてあげるから」
「――――……」
困ったみたいにオレを見上げてくる奏斗に、ゆっくり唇を重ねさせた。
触れるだけのキスを繰り返しながら、指に触れた胸の先端を刺激すると、あ、と声が零れる。すぐに、かぁっと赤くなって、唇を噛みしめた。
一晩限りで誰かと寝てたなんて思えない反応するよな。……可愛い。
多分、知らない奴とそれだけを目的にするっていうのとは、違うんだろうなと、なんとなく思うけど。
恥ずかしそうにするのが、ほんと可愛い。
「……っん、ぅ……」
どうすれば奏斗が気持ちイイか、もう分かってる。
感じるように、オレが教えたとこもある。一晩中抱いたり、結構無茶なこともしたし。
「奏斗……もっと、キスしよ」
「…………っ」
噛みしめていた唇に、ちゅ、と唇を寄せると、は、と熱い息とともに、開く。舌を絡めて、ゆっくり、キスする。
「……っ……ン…………」
……なんで、こんな、可愛いんだろう。
熱く、なりすぎる。オレ、いつも。
奏斗の口ん中、上顎の弱いとこを舌でなぞると、くぐもった声が、漏れてくる。
すぐ涙目になって、キスしたまま、縋るように、見つめられると。
歯止めが、効かなくなる。
ゆっくりしてあげたいと思う自分も、居るのに。
「……ふっ……ン……」
舌を絡めて、オレの方に誘い入れて優しく噛むと、また声が出る。
胸に触れて、先端を引っ掻く。キスしたまま、あ、と口が開いて、一瞬離れた口内に、深く舌を差し入れる。
「……んん、……んっ……ぁ」
しばらくして、ぽろ、と零れた涙に気づく。
唇を離して、舌で涙をなめとる。
「……奏斗……」
「…………キス、きつ、……」
は、と息をついて睨んでくる奏斗に、可愛くて、つい笑ってしまう。
そのまま首筋にキスして、かぷ、と甘噛みする。びくん、と震える。ほんと、どこもかしこも、弱い。
舌でなめ上げながら、耳にキスする。
「奏斗」
囁くだけで、体を竦めるのが、もうほんと……。
「反応、可愛すぎ」
「……っかわいく、ない、し」
「可愛いよ」
囁いて、キスしながら、体に触れる。
気持ちいいところ。つ、と指でなぞるだけでも、顎が少し上がる。それをキスで押さえて、そのまま、呼吸を奪う。
「……ん、ん……っ、ふ……」
奏斗は、嫌いだとか言ってる割に、キスに弱い。
キスに夢中になってる奏斗を乱すのは、割と簡単。真っ白になってる隙に、どんどん体を開いていく感じ。
あんまりキスはしてこなかったみたいだから、他の奴らはこんなトロトロした姿、見てないのかなと思うと、それは嬉しいけど。
「……っ、は、ぁ……っんん……」
奏斗をイかせて、力が抜けている隙に、ローションで中を慣らしていく。
「ん、ぁ……」
びく、と震えて、オレの腕に手がかかる。
「……っぁ……」
必死で見上げてくるのが、可愛い。
こんなにこんなに、「可愛い」と思って抱くのは、奏斗が初めてで。
勝手に湧き上がってくる思いは、留めることができないみたいだ。
「奏斗」
もう我慢できなくて、奏斗の脚を開かせる。
「……っ……ふ……っ」
少しずつ、繋がると、唇を噛みしめて仰け反る。それから、ぎゅう、としがみついてくる。
「……奏斗、平気?」
「…………っ……」
ふる、と首を小さく振る。
顔、赤い。気持ち良さそうに上気してて、息も速い。
「……奏斗」
背に手を置いてそのまま抱き締めて、深く、奥まで入れて。動きを止めたオレを、奏斗が、ゆっくり瞳を開けて、見つめてくる。涙が、潤んでて。
心ん中、鷲掴みにされるみたいな感覚。
「……何でそんな、可愛いの」
「なに、言って、ンの……」
ふい、と顔を背けられそうになるけど。
そのまま、背中を抱いて起こさせて、繋がったままで自分の上に座らせる。
「……っ……ん、ん……!」
仰け反りそうな背中を支えて、抱き寄せて、うまく引き寄せて、口づける。
「……奏斗」
「……っふ、……ぁ」
ぶる、と震える奏斗の頬や唇にキスしながら、奏斗を乱す。
奏斗のこんな顔。
もう二度と、誰にも見せたくないと思ってしまう。
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