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第472話「愛しくて」*奏斗 ※

 脱衣所で降ろされて、キスされながら、なんだかすごく性急にシャツを脱がされた。 「……んっ……ン……ふ」  食べられてしまいそう、と感じるキス。角度を変えて、何度も、キスされる。  四ノ宮の手がオレのズボンのベルトにかかって、ズボンも下着も脱がされる。自分だけ全裸なのがすごく恥ずかしいのだけど。 「……ん……っ」  唇は離れないし、そのまま胸に四ノ宮の手が這って、肌をなぞるから、抵抗もできない。  その内、やっと離れた唇が、首筋にうつって、ちゅ、と吸われると、びく、と震えてしまう。  乳首を摘まれて、少し強く刺激されると「んっ」と声が漏れる。またキスが重なってきて――――。もう、息が忙しくて、少し苦しい。  久しぶりの刺激は、あっという間に、頭の中、支配していく。  そっと瞳を開いて、至近距離の四ノ宮を見つめる。    少し眉を寄せて瞳を伏せてる四ノ宮は、色っぽくて、ぞく、と背筋が震える。久しぶりに、こんなに近くで見つめる。  本気で、愛しくて、どうしよう、と思う。  深いキス。  ――――四ノ宮の息が、舌が、すごく熱い。めちゃくちゃ興奮してくれてるみたいで。……嬉しいなと、思ってしまう。 「……ん、っんン……」  しばらくキスした後、四ノ宮は少し離れて、自分のTシャツを脱ぎ捨てた。ズボンと下着も脱いでかごに放ると、オレの手を引いてバスルームに移動した。シャワーを出してお湯を体に浴びながら、また深くキスされた。舌、めちゃくちゃ絡んできて、もう本格的に、頭がぼうっとしてくる。 「……ん、……ふっ……ぅ……」  気持ちよくて、もう、立てなくなりそう。どうしよ。  好きって思ってするキスって、こんなに、気持ちいいんだっけ……。 「……奏斗、かわいい」  舌を噛まれて、吸われて、気持ちよすぎて涙が滲む。  かく、と膝から力が抜けそうになって、四ノ宮に抱きとめられた。 「あーそっか……まだアルコ―ル残ってるかな?」  四ノ宮が勘違いして、じゃあベッドにいってからにしよ、と言ってくれてるけど。  ……多分違う。これ。  やばいなオレ。  抱かれたら、飛んじゃいそう……。  でも立てなくなりそうな気がするので、ここを出るのは賛成。  オレのシャンプーをしてくれて、オレが自分で体を洗ってる間に、四ノ宮は自分をざっと洗い終える。  熱めのシャワーでほこほこになって、バスルームを出されて、ほっとする。  オレに、四ノ宮の部屋着の上だけをすぽっと着せると。 「寝室、クーラーつけてくる」  下着と部屋着のズボンだけ履いた四ノ宮は、そう言って出て行った。  オレは、下着も履いてないので、ちょっと恥ずかしいのだけど。タオルで髪を拭いていると、少しして四ノ宮が戻ってきた。  四ノ宮も、首に掛けてたタオルで、自分の髪の雫をふき取って、タオルをカゴに放る。  男っぽい体に、今更、ものすごくドキドキしてしてると、ふと、見下ろされる。 「奏斗、髪は乾かさなくていい?」 「ん」  いつも乾かされていたので、そのセリフは珍しいなと思いながら頷くと。四ノ宮はクスッと笑って、オレを見つめる。 「多分すぐ、めちゃくちゃ汗かくと思うからいいかなと思って」  すぐめちゃくちゃ汗……。  頭にその映像がぽんっと浮かんだ瞬間、かぁっと熱くなる。 「真っ赤なんだけど……」 「っなんでそんな想像しちゃうようなこと言うんだよ……っ」  クスクス笑われて、むむ、と睨むと、四ノ宮はますます笑いながらオレの頬に触れてくる。

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