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第475話「今までで一番」*奏斗※

「……ん…… ふっ……」  シャツの中に滑り込んで、胸の先端を引っ掻いた指に、あ、と声が漏れた。  咄嗟にキスが離れて、でもすぐにまた舌が絡んでくる。 「……ん、んっ……」  深すぎるキスを繰り返される。  胸をしつこく弄られて、もう全身が熱い気がする。  ちゅ、と音を立てて舌が外れて、服が脱がされると同時に、ベッドに組み敷かれた。 「奏斗、ごめん。ちゃんと色々話してからの方がいいかなと思ったんだけど――――限界かも」 「……っ……」  あ。そっか、我慢してくれてたのか……。  ……急に、雄っぽい表情で迫られると、ドキドキしすぎて、困る。 「遠慮なしで、めちゃくちゃ可愛がって、抱いていい?」 「――――え」  頭の中溶けそうで、ぼんやりしていたけれど、そのセリフに、今までは遠慮してたのかという疑問が浮かぶ。  返事をするより早く、また唇を塞がれた。 「ん……っん、ぅ……」    舌が上顎をなぞって、それからまた、舌を絡めてくる。  背筋がゾクゾクして、お腹の奥の方が熱くなる。 「……っぅ、ん……っ」  キスしながら、四ノ宮の指がオレのに触れる。めちゃくちゃ激しくされて、ぎゅ、と目を閉じて耐えてると、首筋に舌を這わされて、びくん、と震える。 「っあ……っん、ン……」    あっけなく四ノ宮の手に出してしまって、焦る。 「オレと寝たあと、自分でシてない?」  頬にキスしながら、四ノ宮がそう聞いてくる。 「――――」  小さく何度か頷くと、四ノ宮は、そっか、と言った後。また、可愛い、と囁いてくる。  可愛いって言われるのも、四ノ宮の手でイくのも、裸を見せるのも、もう何度もしてきたのに。 「しのみや……」 「ん?」  ぎゅ、と首にしがみつく。 「どした?」 「……なんか、すごく、はずかしいかも……」  なんて言っていいか分からなくて、とりあえず感じるそのまま、言った。すると、え、と顔を見られてしまう。 「……っあんま、見ないでよ」  かああ、っと顔が熱くなる。  何これ。オレ、散々、四ノ宮とシてきたのに。今更なのに……。 「――つか、無理」 「え?」  背を、枕に沈め直されて、四ノ宮を見上げると。  なんだかすごく、興奮しちゃってる、としか思えない、四ノ宮の雄っぽい表情。  ドキドキしすぎて、ヤバい。 「……奏斗、可愛すぎる」  ちゅ、とキスされて、激しくなるキスに応えてると、ローションのついた指が、オレの中に入ってくる。 「ん、んん……っ」  大きく脚を割られて、奥をどんどん抉られる。 「……んン、ぁ……」 「何回もシてんのに……急に恥ずかしくなった?」 「…………ッ……」  唇の間で、濡れたような色っぽい声で、囁かれる。 「……オレも。今までで一番――――……すげードキドキ、してる」  至近距離でじっと見つめられて、そう言われて。  体の、奥の方が。  ぎゅ、と掴まれたみたいな感覚。  ドキドキするし。  胸が熱すぎて、涙が滲む。 「……しのみや……」  言いたいことがありすぎるけど、言葉には出来なくて。  必死な声で、名前を呼ぶと。  オレを乱す手とは逆の腕で、ぎゅ、ときつく、抱き締められた。 (2023/11/20)

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