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番外編【諦めるか否か】大翔side 1

甘々番外編の後にすみません💦  奏斗に振られた後の大翔。書きたかったので…そんなに長くはならないと思います。 (後日ものすごく長くなりました(^^;💦) ◇ ◇ ◇ ◇  何がいけなかったんだろう。  奏斗に無理だと断られてから、ずっと考えてる。   「大翔ー?」 「――」 「なー大翔」 「――ああ……なに?」  肘をついてぼんやりしていたオレは、呼びかけていた友達に視線を向けた。 「全然聞いてなかった?」 「うん。ごめん」 「ひろとー……」  そのやりとりを聞いてた周りが、ははっと笑った。続けて色々話し始める。今度は一応聞いてはいたけれど。  頭ン中は、あれからもうずっと、奏斗のことばっかり。 「今日和希に会った。大丈夫になった。今度会って話す」  そんなことを、言っていた。  和希と――よりを、もどすってこと? いままでは、無いと言ってたけど。  すごく好きだったらしいし。分かんないよな……。  だから、急に、オレに無理って、言ったのか。  今頃。和希と、付き合ったり……してんのかな……。  ――幸せなら、良い。  奏斗が。  何度も、そう思う。  でも。  おなじだけ、何度も。  オレが幸せにしたいのに。  奏斗がそれを望まなければ、意味がないことなのに、何度も何度も、そう思ってしまう。  テストは、頑張った。こんなことで成績さげんのは馬鹿だと思うし。集中することがあるのは、却って良かった。  ここ最近ずっと奏斗と食べていたから。家で一人になるのがだるくて、食事はほとんど外で済ませた。他の奴と過ごす時間も、増えた。  奏斗には、会わない。  ……会わないように、時間を合わせないようにしている。  偶然会ったからって、どうなるものでもないと思うから。  オレが元々、ゲイじゃないから。  出会いが普通じゃないから。関係の持ち方が普通じゃないから。部屋が隣で、一緒に居すぎたから。  それで勘違いした。……離れないといけない。  オレを好きになる奴は、これからたくさん、居る。  最後の奏斗の言葉が、もう、ずっと。  オレの中で回ってる。  ――――他の奴なんて、関係ない。  オレが、好きなのは、奏斗だ。  生きてきた中で、こんなに大事に思ったのは、奏斗だけ。  これから先、大事じゃなくなることなんて、絶対無いって、思ってる。  オレの腕の中に居た奏斗が愛おしすぎて、他の奴なんか抱ける気がしない。  どんな出会いだって、もともとゲイじゃなくたって、  どんな経緯を通ったからって、好きになったから、好きなんだ。  オレのこと、今、本気で好きじゃなくてもいい。  そう言った時。初めて、奏斗の表情が、揺れたように見えた。  泣きそうに。見えた。  でも。 「無理だよ。好きって応えられないのに、付き合うなんて、出来ないよ」  そう言われた。  応えられない。  オレの想いには、応えられない。頑なな意志が、その顔に見てとれた。  ありがとうと、ごめん、だけを残して、奏斗は、消えた。  あっけない、終わり。  突然、遮断された。  毎日のように一緒に居て、寝起きして、食事してたのに、  突然、オレの世界から、完全に居なくなった。  今頃、和希のもとに居るかもしれない……?  そんなの、どう受け止めればいいんだか分からない。  確かめたいけど、確かめる権利もない。確かめたって、何にもならない。  奏斗の頑なさが、今までとは違った。受け入れてくれることはない。  無理矢理奏斗のところに行っても、好転はしない。だから行けない。  ……最初から、思うことを伝えていたら。  恋人ができるまでオレが抱くとか。付き合う、みたいなこと、オレは言ってたけど。……あれもいけなかったのかな……。  もっと早く、ちゃんと考えて、ちゃんと好きだって伝えていたら、良かったんだろうか。もっと早く、好きだから、本当に大事なんだって。  和希のことなんか忘れるようにオレが、大事にするからって、言えば……?  ――――……今更、おそいか。  頭のなか、ずっと同じことばかりで。  進むことのない思考に、おかしくなりそうだった。  夏休みの前に、一度だけ、相川先輩に会った。  オレの周りで皆が夏休みの話をしていた時だった。パンフレットを持ってる奴も居たので、それを見た相川先輩が、聞いてもないのに、オレも奏斗とかと旅行に行くんだーと話していった。  そっか。元気なんだな。良かった。  ……和希と居るんだろうか。奏斗に恋人出来たか、とか。相川先輩に聞きそうになったけど、多分よりを戻していても、周りには言わないだろうと、聞くのをやめた。  元気で良かったと思う一方で。  ……オレと離れても、何の関係もなく元気なのかと思うと。  複雑な思いが胸を焼いた。  こんなのも……勝手な想いだ。  ――――……オレが勝手に好きになって。  勝手にずっと居るなんて決めて。      そんな中。  ……絶対の、家族旅行。    体調不良。……嘘じゃない、大体にして、ずっと体調も機嫌も最悪だ。  それを理由に断ろうと言いかけたが、親父に秒で却下された。

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