515 / 544

番外編【諦めるか否か】大翔side 26 ※

 キスをして、深く、口づける。  キスは、奏斗ほど嫌いとかはないけど、オレも、そんなに好きって程じゃなかったかも。こんなに触れたくて、キスしたいとかは、無かったよな。奏斗とキスしてると、少し苦しそうに寄る眉だけで、もう、可愛くてたまんない。  うなじに触れて、引き寄せる。 「――――……ん、ン……」  舐めつくしたいとか。もう、溶けあっちゃいたい、とか。  激しい渇望。  うなじが汗ばんでくる。は、と息継ぐ吐息が熱い。  背中にしがみつかれて、その手が熱くて、どきっと心臓が音を立てた。  たまんなくなって、シャツの中に手を入れて、肌を撫でる。  触れた乳首を引っ掻くと、あ、と声が漏れて、唇が咄嗟に離れた。  ――――……かわいすぎ。  離れた唇に深くキスして、舌を絡ませる。 「……んん、ぅ…… ふっ……」  舌が絡んで、響く水音。  奏斗の、漏れる声と、熱い息。 「……ん、んっ……」  オレ、限界かも。  舌を外して、奏斗のシャツを脱がせて、ベッドに組み敷いた。  少し焦るみたいな、息を顰める奏斗。 「奏斗、ごめん。ちゃんと色々話してからの方がいいかなと思ったんだけど――――限界かも」 「……っ……」  オレの息も荒い。興奮しすぎて、熱いし、ヤバい。  何だか、かぁ、と赤くなった奏斗に、余計に昂る。  可愛すぎて、もう、愛したくて、しょうがない。 「遠慮なしで、めちゃくちゃ可愛がって、抱いていい?」 「――――え」  体を何となく隠そうとでもしてるのが、脱がされてから胸の前で握ってた手を、オレは軽くとらえて、頭の横で、押さえつけた。  返事を聞く余裕も無くて、また深く口づける。 「ん……っん、ぅ……」    舌で、奏斗の口の中を舐め尽くすみたいに。深く。弱いとこに触れると、びくん、と体が震える。反応してきた下を持て余してるみたいに奏斗が脚を閉じようとした時、オレは、奏斗のに触れた。キスだけで反応して、すっかり熱くなってる。それが、こんな嬉しくて興奮するって、本当にヤバい。 「……あっ……」  急に激しくしたら、びっくりしたみたいに声が上がった。  そのまま、ぎゅ、と瞳を閉じて、オレに縋るみたいに触れてくる。  可愛くて、思うまま触れて乱すと、びく、と震えてオレの手でイった。  多分、早かったから焦ってるのか、一生懸命な顔をしてる奏斗が可愛い。 「オレと寝たあと、自分でシてない?」  聞いたら、こくこく頷いてる。  ――――オレとシてから。オレとしか、シてないんだ。  そう思うと可愛くてたまんなくて。  可愛いと、自然と口から漏れてた。すると。 「しのみや……」 「ん?」  奏斗は、ぎゅ、と首にしがみついてきた。 「……なんか、すごく、はずかしいかも……」  え。と、奏斗の顔を凝視してしまった。 「……っあんま、見ないでよ」  もともと、上気してた肌が、かあっと、一気に赤くなっていくのを、ただ、見つめる。  今まで散々……と言ったらなんだけど。  多少無理矢理も含めて、キスしたり触れたり、抱いたりしてきたのに。  今言ってる恥ずかしいって。  ……多分、オレのこと、好きだから、だよな。  と。思ってしまったら、もう。  ――――無理になった。 「――つか、無理」 「え?」  何だこれ。たかが、恥ずかしいの一言に。  奏斗をめちゃくちゃ抱いて、全部オレのものにしたいっていう、強い欲望。 「あっつ……」  まだ、大したことはしていないのに、中からものすごく熱い気がする。息まで上がる。 「……奏斗、可愛すぎる」  キスして、中を性急に慣らす。仰け反ろうとする顔を押さえて、キスしたまま。 「ん、んん……っ」  大きく脚を割って奥を責めだすと、きつく指を締めてくる。奏斗はキスを外すと、唇を噛みしめて顔を逸らす。 「何回もシてんのに……急に恥ずかしくなった?」 「…………ッ……」  涙目でオレを見つめてくる奏斗に、また心臓の音がうるさくなる。 「……オレも。今までで一番――――……すげードキドキ、してる」  そう言ったら、ますます潤む瞳。  奏斗の態度も反応も、全然違う。  好きってなって、抱かれるってなったら、こうなるのか。  ――――……和希、バカだな。  ……こんな可愛いのに、手放すとか。 「……しのみや……」  こんなに、一生懸命呼ばれること、あるだろうかと思うくらい。  なんか、必死に名前を呼ばれて、オレは、奏斗をきつく抱き締めた。  ――――……つかオレん中。  可愛い、しか。なくなってる気がする。  オレは、絶対、離さないから。  そんな風に、誓うみたいに、想う。

ともだちにシェアしよう!