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番外編【諦めるか否か】大翔side 27 ※

 ※  しばらく触れてなかったけど、感じるところは変わらない。  ひたすら気持ちいいところを可愛がっていく。息が上がって、どんどん熱くなって、一生懸命に快感をこらえてる奏斗の耳に、唇を寄せた。 「恋人になって、初めてだもんね……」  囁いて、耳を舌を弄りながら、指で中を慣らす。 「ん、ふ……っ……ん、んん……」  気持ちよすぎて無理、みたいな顔で、うるうる見つめてくるとか。マジで可愛すぎて、腰に来る。深くキスしてても、もっと、どこまでも溶け合いたくて求めてしまう。 「……ん、ぅ……っ」  激しいキスの間で、漏れる声が可愛くてたまんない。中を慣らして、イかせて、朦朧としてる奏斗のそこにあてがう。久しぶりだし、そんなに激しくしちゃだめだと思うのだけれど。 「……あ……ッん、……はっ……」  少しずつ慣らしながら入れるけれど、気持ちいいしか、無さそう。そう思ったら、もう我慢できなくなってくる。  奥まで入って、慣らして、引いてから突き上げると、気持ち良くてびっくりしたみたいに見開いた瞳が、すぐに、ぎゅうっと閉じた。 「……ンぁ……っ……あっ……しの……ッ」  名前を呼ばれるの――――……愛しくてたまんない。  喘ぐ奏斗を呼ぶと、頑張って目をあける。オレと目を合わせると、ぽろ、と涙が零れてく。 「可愛い」  抱き締めて奥まで入れると、中をきゅう、と締め付けられて、気持ちいい。 「……好き……しの、みや」  抱いてる間に、そんなこと言われるの。  当然、初めてだ。  ん、と頷いてから。なんか、泣きそうで。ぎゅう、と抱き締めて堪えた。 「素直なの……オレ、ほんっとに、ヤバいんだけど……」  息が荒くなってるのを抑えながら。泣きそうなのも、なんとか堪えた。だって、好きって言われたからって、抱いてるオレが泣くって……オレ、さっきも泣いたとこ見せたし、絶対無理だと思ったから。必死で我慢。  やっと落ち着いて、は、と息をついた時。奏斗が何も言わないことに気づく。少し奏斗を離させて、「奏斗?」と呼ぶと、ぎゅ、とつむってた目を開けて、オレを見上げてくる。  ――――……。  なんかもう。その、涙がウルウルしている瞳に、心臓を貫かれる、みたいな気分。  押さえきれず、ふ、と笑みが零れてしまう。 「すっごいウルウルしてるし。可愛いなあ、もう……」  素直な涙。  ……オレは無理矢理、止めたけど。  奏斗は、潤みまくった瞳で、まっすぐオレを見つめてくるんだな……と思うと。素直な奏斗が、可愛くて、どうしようもなくなる。  触れたキスを離して、見つめ合っていたら。  今まで、使おうと思ったことすらない言葉が、突然浮かんだ。   「――――愛してるよ、奏斗」  言った自分に、自然と笑みが浮かぶ。  もう、愛してる、しか、無い気がする。  可愛いし、大好きだし。でもなんかそれだと足りないような。  もう、全部全部、愛したいって、本気で、思ってる。  奏斗と手を重ねて、奏斗の顔の横で押さえる。じっと見つめ合っていたら、不意に浮かび上がった大粒の涙が、奏斗の目の端から、零れ落ちて行った。 「……奏斗?」  ちゅ、と涙を舐めとる。 「……感動した?」  少し笑ってそう聞くと、一瞬ムッと唇を噛んだ奏斗は、それでも、ん、と頷いた。 「はは。もう……ほんと、可愛すぎ……」  素直に、オレに、好きって言ってくれて。  愛してるって言ったら、ポロポロ泣いて――――。  もうオレ。  絶対、ずっと愛してくから。  また一人で勝手に、誓いを立てた。  「愛してる」なんて言葉。……そんなくそ恥ずかしい言葉、  オレは、絶対言わないと思ってたのに自然と溢れたことに驚くけれど。  「愛してる」って囁くたび、奏斗と深く繋がる感じがした。  何度も奏斗を抱いて、数えきれない位、キスをして。  奏斗が、意識を失うみたいに眠りにつくまで、離せなかった。  心ン中は。  愛しいって気持ちで、溢れるみたいで。  眠った奏斗に薄い布団をかけて、座ったままその髪を撫でる。  見つめていたら。  ふ、と涙が浮かんで。  今度は堪えることもできずに、まっすぐに、零れ落ちた。  ……はー。  マジか。  自分に少し呆れつつ。  ぐい、と手の甲で拭った。 「……ありがと。奏斗」  ――――オレを、好きに、なってくれて。  ぐっすり眠ってて、起きそうにない。  そっと、口づけた。

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