519 / 544
番外編【夏祭り】*奏斗
【前書き】
家族編はまだ書けてないのですが。
暑くなってふと書きたくなった「夏祭り編」少しの間お付き合いください♡
↓ ↓ ↓
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
何日か前に、夏祭りのポスターを見かけた。花火もやるらしい。
一緒に見つけた四ノ宮が「絶対行く」と張り切っていた。「夏祭りデート、良くない?」と、めちゃくちゃ笑顔で言われて、きゅん、と胸が弾む。
ちょっと前は、夏祭りなんてめんどくさ、とか言いそうな雰囲気だったのに。
なんかもう。……特に付き合いだしてからの四ノ宮は、なんかやたら素直というか。……なんでも楽しそう。というか。
…………なんか、すごく、可愛いなと思ってしまう時がある。
まあ、可愛いって、あんまり喜ばないので、ぽろっと出ちゃう時以外は、言わないようにしてるんだけど。ついつい、言っちゃうくらい、たまに可愛い。
* * *
「――――んん、ぅ……」
脚を割られて、奥に、四ノ宮を受け入れて。中を突きあげられて、仰け反る。でもすぐに引き戻されて、深くキスされる。
「……ん、ン……っぅ…… は、 ……」
大きな手が、後頭部を包むみたいに。少しも離れられない位、唇が合わさってて、キス、気持ち良くて、それだけでやばい。のに。
中、擦られて、ゾクゾクした快感に、震える。
「……っは……あっ……ん、っ…………」
「――奏斗」
少し離れて、呼ばれたので見上げると、いつもの「可愛い」なんか、どこかに消え去ってて、雄って感じの。激しい、瞳。
色っぽすぎて、見つめられてるだけで、ゾクゾクする。
見つめ合ったまま、四ノ宮の手が胸を這って、乳首に触れると、びくん!と勝手に体が大きく震える。
ふ、と細められる瞳。
「……あー、もう、マジで可愛い……」
「や……あっ……」
ぎゅう、と瞳を閉じた瞬間、また重なる唇。
腰を回すみたいに、中を擦られて、「んぅ」と声が漏れて、オレは、達して。
「……好きだよ、奏斗」
オレが達しても、四ノ宮は、そのまま、愛撫を止めない。
いつもだから、分かってる。
「……ん、あ、……ぁっ」
気持ちよすぎて、もう、なにも隠せない。
涙が、溢れるけど。
嫌だからじゃないのも、バレてて。
舐めとられる。
「可愛い」
「大好き」
「愛してる」
何回言われるのか。
言われる度に、ふわふわ、気持ちよくなって。
何て返そう。
いつも思って。
「……ひろ、と……」
大好き。
思いながら、名前を呼ぶと、しがみついてる体が、余計熱くなる気がする。
いつも抱かれる時。
――――大好きすぎて。
もう今、死んでもいいなあ、なんて、思ってしまうくらい。
幸せだったり、する。
熱が冷めて、抱き合って、いつもするんだけど、四ノ宮がオレをずっと撫でてる時間。
「奏斗、明日さ。お祭りじゃん……?」
「……ん」
さっきまで激しかったのが、嘘みたいに、静かで、穏やかで、優しい口調。
「どうしても、お願いがあるんだけど……」
「…………お願い??」
さらさら髪の毛を撫でられて、ウトウトしながら、四ノ宮を見上げると。
「浴衣、着たい、一緒に」
「――――」
ふ、と笑ってしまう。
「そんなの、お願いとか、使わなくていいよ……」
そう言うと、四ノ宮は、嬉しそうに、微笑んだ。
「実はもう浴衣レンタルするとこ、予約してて」
「……決めてるんじゃん」
クスクス笑ってしまうと。
「絶対説得するつもりだった」
と、悪戯っぽく笑う。
「……たのしみ。四ノ宮、似合いそう……」
「オレじゃなくて、奏斗のが見たいんだけど、でも一緒に着たいから、オレも予約しといた」
「うん。……たのしみ……」
ゆっくりそう言ってると、四ノ宮は、クスッと笑って、「眠い?」と聞いてくる。ん、と頷くと。
すぽ、と抱き寄せられて、頭の上に、ちゅ、とキスされた。
「おやすみ。明日も暑そうだから、いっぱい寝といて」
「……ん。おやすみ……」
四ノ宮の腰に腕を回して、ぴと、とくっついて。
ほんとにすぐ、眠りについた。
優しく、撫でられてるの、感じたまま。
(2024/6/15)
ともだちにシェアしよう!