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バレンタインのSS🍫 1
大学の後期試験が今日やっと終わった。
しばらくテスト準備やレポート提出でバタバタ忙しかったが、やっとゆっくりできる。
ということで今日は、奏斗と二人で外で夕飯を食べてきた。
寒い中帰ってきて、お風呂でぬくぬく温まってから出てきた。オレがコーヒーを淹れることにして、奏斗をソファに座らせた。
キッチンでコーヒーを用意してると、奏斗がつけたテレビが「明日はバレンタイン」と言い出した。
――あ。しまった。
明日バレンタインじゃんか。すっかり忘れてた。
テストや課題で、めちゃくちゃバタバタしてたからな。
カフェオレを持って、奏斗に近づいて差し出した。
「はい、どうぞ」
「ありがと~」
「明日、バレンタインだったね」
「あー……うん。そうみたいだね」
テレビを見ながらコーヒーを啜ってる奏斗の隣に座って、奏斗に視線を向ける。
「すげー不覚。忘れてた。先週はその話題出てたのに」
「今週テストばっかりだったしね。いんじゃない、別に――これから告白する、とかでもないしさ」
「いや。やっぱりこういうイベントはやりたいよね?」
「……んー、まあ。ていうか、四ノ宮は今日、貰わなかったの?」
「貰わなかった」
「そうなの? なんで?」
奏斗がすごく不思議そうな顔をオレを見上げてくる。
そういえば、明日は土曜だから、こういう時はよく前日にもらってたような……と思って、ふと思い出した。
「あ。前に聞かれた時、恋人いるから、絶対受け取らないって言ったからかも」
「え。そうなの?」
「うん。しかも、その話、広めといてもらったんだった」
「そうなんだ。んー。……ごめん、オレ、ちょっと貰っちゃった。何も聞かれなかったのもあるけど」
ちょっと困った顔をしてる奏斗に、オレは首を横に振って見せた。
「それは全然いいよ。オレはたまたま聞かれたからちょうどよいと思っただけだし」
「ごめんね。来年は貰わないようにするから」
「いいよ。別に。それは気にしないで」
んー、と頷きながら、奏斗はテレビを消した。
「ほんと、奏斗は明日どうしたい? あ、バレンタインのチョコ、手作りとかする?」
「……え」
「あ、お互い手作りして渡しっこするのもいいかなって」
軽い思いつきで言ったら、奏斗は少しの間黙っていたけれど、プルプルと首を振った。
「やだ」
「何で?」
「……だってさ。四ノ宮とじゃ、レベル違いすぎるでしょ。お互い手作りはやだなぁ」
「レベルなんて関係ないよ。奏斗が作ってくれたらなんでも嬉しいし」
「……そう?」
はは。なんか嬉しそうな顔になった。
可愛いな、と思った瞬間、奏斗はすぐ、ぶるっと顔を振る。
「いや、でも。四ノ宮のだけプロみたいで、ってなりそうだから、やだ。四ノ宮、すっごい気合入れそうだし」
「確かに入れるかも」
「やっぱり、それは無し」
奏斗が苦笑しながら、ぷるぷる首を振り続けている。
(2026/2/13)
お久しぶり。
さっき、急に思いついたので。( ..)φ
2.3ページで終わる予定です♡ by悠里
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