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逆襲 2
好きだと言われて、面白いと思った。
「何?お前ゲイ?」
聞いてみた。
仕事先で知り合った。
初めて自分をその男が見た時から分かってた。
欲しがる目。
自分にハマるやつはみんなそう。
怯えながら近づいてきて、最後にはひれ伏す。
自分はゲイであると公言してる。
この業界では珍しくない
近づく男は自分がゲイと知ってて近づいてくる。
それはセクシャルな意味を持つ。
だけど一応ゲイかと聞いてはみたわけだ。
「多分ちがうと思う」
恋人になる男はそう答えた。
そう、自分はゲイにウケるタイプじゃない。
むしろ、女を好むはずの男達にこの容姿は効いた。
女のようというわけではない。
男以外の何者でもないのに、でも確かに引き付け られてしまうのだと、過去の男達はそう言った。
「綺麗で、怖くて・・・でも触れたくてたまらない」
のだと。
この男もそうだった。
そんな男達に教えこんでいったのだ。
女を抱いてきた男達は怯えた。
自分がされる側になることに。
そんな怯える男から服を剥ぎ取るのは楽しい。
男達は最初は怯えてしまう。
欲しいのは分かっているけど、その先を知らないから。
少女達よりウブだ。
でも欲しくて堪らなかったから。
だから、されるがまま、なすがままになった。
女のように脚を広げられその姿勢に屈辱を感じて泣きながら、でも舌や指にちがう意味で泣き狂った。
穴を女のように使われる時には、どんな処女よりも男達は怯えた。
そこにソレを当てたときの怖がる様子。
それがどうしようもなく支配欲を掻き立てた。
穴に沈めてそこを自分のモノにするのが何よりもすきだった。
可愛い可愛い男達。
ゲイじゃないから、そこで快楽を覚えて、あえいで鳴くそんな自分が許せなくて。
それをつき崩してやるのが楽しくて楽しくて
そんな女を抱いてきたことしかない男達を抱いてきた。
みんなみんな可愛いメス穴になった。
たっぷり楽しんで、手放す。
もう女では満足できない男達は、結果的にゲイになる。
そういう遊びをくりかえしてきた。
今回もそういうことだと思った。
凛々しい、いかにも女にモテそうな男を組み敷いたのはその日の内で。
それもまあ、いつものことだった。
震えながら自分を会社の外で待っていて。
告白したものの、そのことにも戸惑っている男。
「家に来る?」
そう声をかけたのも、いつものこと。
ベッドで怯える身体を裸に剥いたのも、抱かれることを知らない身体を教えこんだのも、いつものこと。
硬く閉じた穴を可愛がって、そこでイカせてやってから、ずっぽり嵌めたのも、いつも通り。
逃げそうになる腰を押さえつけて、深いところまで突きまくって、泣かせまくったのもいつも通り。
涎を垂れ流し、知らない快感に狂う男は可愛すぎた。
女相手には泣かせてきたんだろうと思うと尚更。
「可愛いメス穴だな」
そう言ってやるのも楽しかった。
屈辱で、でもその通りなので泣くのが。
ただ、いつもとちょっと違ったのは、この男が本気すぎたところだろうか。
「好きだ・・・好きぃ。だからだから・・・」
泣いて縋り付いてくる。
そんなになってしまう男は可愛いものだけど、ちょっと困る。
いずれ捨て去るつもりなのだ。
しっかりうしろじゃ無いとダメな身体にしてから放流するのが趣味だから。
まあ、誰でも最終的には泣くのだ。
恋愛なんてそんなモノ
なので、いつものように恋人にして、その身体を楽しむことにした。
捨てるとしても今は恋人。
恋人じゃないとできない支配が好きだから。
好きな時に呼び出した。
いつでも全速力でやってくるのを可愛いと思った。
好きな場所で犯した。
トイレや公園でも。
嫌がりながらも逆らえないのが、支配欲を満足させるから。
自分よりも大きな男が泣きながら言いなりになるのだ。
男らしい、そんなことは絶対にしなさそうな男が。
たまらなかった。
徹底的に支配した。
支配することこそがセックスだったから。
「好きだ。好き、好きなんだ」
泣いて言われる事自体は気持ち良かった。
身体から堕ちていく連中とは違って、好きだから許してる相手だからこそ、堕としがいがあった。
「穴で犯されるのが好きなくせに」
そこでイかせながらささやけば、泣きながら否定する。
「違う・・・好きだから・・・好きだから」
そういうくせに、尻を振っている。
「嘘つき」
笑って責め立てるのは楽しい。
「もっと」と言うまで苛めて、最後には「してください」と懇願させる。
今までの恋人達よりは楽しかった。
支配欲をより楽しませてくれたから。
どんなに抱いても、なかなか屈しようとはしない。
そのくせ、熱っぽい目で犯されながらも見つめてくるのだ。
「好き。好きだから・・・」
そう叫び続ける。
それを犯すのは楽しかった。
でも。
さすがに1年は飽きた。
同じ身体を1年も。
よくもった方だ。
別れ話はいつでも大変で。
今回はもっと大変なのは分かってた。
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