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幼なじみ 1

イライラしてた。 そんなことは言い訳にならないとはわかってる。 でも、生まれて初めて恋をして。 信じきったその人に裏切られた。 男が好きな自分を誰がが好きになって貰えるわけがないなんて思っていたのに、向こうからやってきて。 本屋で声をかけられて。 それはかっこいい大人で。 喫茶店でお茶を奢られるところから始まって。 メッセージを送りあって。 そのうち、休みの日に会うようになって。 付き合った。 中学生には大人すぎたその大学生は、色んなことを教えてくれた。 デートもキスも、そうセックスも 優しくしてくれた。 大好きだった。 だからセックスだって頑張った。 その人の部屋で初めて抱かれた。 余裕たっぷりに服を脱がされ、まだ幼い身体を愛された。 可愛い可愛いと言ってくれた。 その人は小さな乳首が気に入って、そこで感じることを教えてくれた。 初めて他人の手で性器を扱かれながら、胸を舐められ噛まれたら、気持ち良すぎて声を上げて射精した。 それを可愛いとまた言われて。 可愛い大好き、そう言われるのが嬉しくて、後しろの穴を弄られ広げられて、大人のモノを受け入れるのも許した。 大人とのセックスは辛いだけだった。 こっそり見た動画みたいに気持ち良さそうなんかじゃなくて。 「痛い・・・」 痛くて泣いた。 苦しくて叫んだ。 胸を叩いて突き放そうとした でも止めて貰えない 「可愛いね、可愛いね」 そう繰り返しながら、その人は犯すことをけっして止めなかった でも、痛くても苦しくても。 好きだって言ってくれるから、ずっと一緒にいれるのなら、と。 「可愛い、ホント可愛い」 そう言われるから、愛されてるんだと耐えた。 中に何度も出されて、喉まで犯されても我慢した。 だって、抱きしめてくれた。 可愛い可愛いと。 最終的にはすっかり慣れて、自分から欲しがるようになったのも事実だけれど。 確かに、夢中になってくれた。 会う度、うっとり全身を舐め回された。 可愛い可愛いと小さな乳首を虐めることが大好きで、まだ小ぶりの性器をたっぷり口でも可愛いがられ、小さな薄い尻がたまらないと何度も何度も犯された。 いれた性器が浮き出る薄い腹が好きだと言った。 深く入れる小さな身体が好きだと言った。 「こんな風に子供のくせにいやらしい君が好き」 だと言った。 全部君のせいだと。 君がいやらしいからだと。 だから感じて君はイキまくるんだと。 いやらしい子だと言われながら犯された。 いやらしい子だから、突かれる度に喜んでしまうのだと思った。 そんな自分を嫌わないでくれるのが嬉しかった。 何でもした。 自分でおもちゃで後ろを虐めながら、オナニーするのを撮影されるのも許した。 縛られてするのも。 おもちゃで延々虐められるのも。 そして、どんな時でも何度も何度もイった。 いやらしいからだ、と言われて。 でも可愛いと。 大好きだと。 愛してると言ってくれた。 自分に関心の無い両親とは違って、つまらないような話でも聞いてくれて。 色んなところに連れていってくれて。 何でも買ってくれた。 とにかく優しくされて。 かっこいい大人に甘やかされて。 自分が男が好きなことを怖がらなくてもいいような気分になれて。 ずっとずっと愛されていくのだと思った。 でも、1年も続かなかった 14になったとき、別れを切り出された。 薄々分かっていた。 最近、抱きたがらなくなった。 会いたがらなくなった。 この身体を可愛いと言わなくなった。 ただ優しい声で。 もう会いたくない、と言われた。 泣いて嫌だと言ったなら、今度は脅された。 撮影した動画をネットにばら撒くと。 いやらしい子だとみんなに知られていいのか、と。 「そんなにデカくなってしまったら・・・勃たないんだよ」 吐き捨てられた。 それで知る。 この人は子供な自分が好きなだけだったのだと。 この人は子供の自分とヤりたいだけだったのだと。 育ってしまった自分は用済みなのだと。 単に子供を喰らう鬼なのだと。 優しい笑顔をまた貼り付ける顔が醜悪だった。 ここに愛などなかった。 すべてが嘘だった。 絶望した。 泣きながら帰った。 全部自分のせいにされていた。 やりたがったのは君だろ? 君がいやらしい子だから。 ごねるんだったら、「仕方ない」からネットに動画を晒す。 そんなの仕方ないけど、これ以上君みたいにいやらしい子の相手なんか「もう無理」だから。 声だけは優しくて、吐気がした。 おそらく。 もう違う子供を手に入れようとしているのだ。 代わりを。 取り替えていかないと子供は育ってしまうから。 愛していた。 初めて優しくしてくれた人で、男性にしか興味のない自分を理解したくれた人で。 でも。 この人には違う。 人間としてみていない。 自分のための愛玩物、人形だったのだ。 優しい姿。 優しい声に怖気が走った。 これは人間ではない。 バケモノだ。 「君がしたかったんじゃないか」 バケモノは、罪悪感すら背負うのを嫌がっていた。 走って逃げた。 全部、全部ウソ。 利用されただけ。 バケモノに犯された。 汚された。 汚い。 自分を嫌悪した。 殻に引きこもった。 抱かれ快楽を教えこまれた身体をもてあまし、部屋で自慰に狂った。 両親はお金だけ置いてもうこの家には帰ってこなくなっていたから、問題なかった。 よごれた汚い身体を嫌悪し、でも、快楽を求めるのを止められない。 イライラして、全てに当たり散らしたい気分で。 そんな時に。 そんな時に現れたのだった。 幼なじみが。

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