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幼なじみ 5
もうこんなことは止めよう。
幼なじみだけでもマトモに戻らないと。
そう考えるようになった。
爽やかで人気者の優等生。
家の前まで女の子達がやってくる。
普通の恋愛だって出来るはず。
その方がいい。
きっと可愛い女の子とつきあったら、自分のことなんか忘れてしまうだろう。
いやらしく生まれてついて、大人とセックスしてしまうような自分とは違うのだ。
高校を卒業しようとする頃。やっと思い切れた。
その頃にはもう幼なじみは自分より大きくなっていた。
男らしくなって。
少年から男になってきていた。
でも、抱いていた。
いや、抱いているというよりは・・・。
幼なじみは上に 跨たがるのが好きで、穴に咥えこみ、激しく動いて何度も何度もこちらをイかせにくる。
喘ぎ、低い声で呻き、その逞しくなった身体を時々反らせ、痙攣させながら、でも欲しがり貪られる。
強くこちらを見る目に焼き尽くされそう。
爽やかな青年はどこにもいない。
女の子のように犯されていない。
貪る雄がいる。
後ろにぶち込んでいるのに。
喰われているよう。
抱いているというよりは、抱かれているかのよう。
「ひぃくん・・・ひぃくんが欲しい・・・もっとちょうだい」
腰を激しく動かれて、泣き叫ぶのはこっちだ。
犯されているみたい。
散々搾りとり、出なくなっても幼なじみは許さない。
「もう出ない・・・出ないからぁ!!」
そう叫んでも、それでも許して貰えない。
出ない性器をしゃぶられ、射精感だけを与えられるのだ。
執拗なその舌や唇に怯えた。
焼くような目が自分を見つめ続ける。
セックスの間中。
喰らわれる。
その穴に口に、目に。
怖くて、でも気持ちいい。
そしていけないと思う。
幼なじみをこんな風にしてしまったことを。
女の子達がきゃあきゃあ言う存在で。
こんなどす黒い欲望とは無縁のはずなのに。
いやらしい自分のせいだ。
いやらしい人間があんなことをしてしまったから。
終わったあとも、幼なじみは抱きしめて離さない。
その執着が怖い。
幼い子供にあんなことをしてしまったから、幼なじみは何かがおかしくなって閉まったんだ。
「ひぃくん・・・ひぃくん・・・」
朝まで抱いて寝たがるようにもなって。
お隣のお兄さんだと思っている幼なじみの両親にも申しわけなくて。
その胸の中で泣く。
「ひぃくん泣かないで。お願い泣かないで・・・」
幼なじみが優しくキスを落としてくるのに、また泣いた。
この優しさに自分は値しない。
こっそり普段は自分に関わろうとしない家にもかえってこない両親と連絡をとった。
高校卒業と同時に今いる家を処分すること。
そして、大学は遠くの街にある場所に行くと。
決めたのだ。
幼なじみを解放してやらないと。
した事の罪は償えない。
でも、離れてやらないと。
許されない、
許されない。
でも、これはダメだ。
可愛い女の子と付き合えば、こんないやらしいだけの身体なんかどうでも良くなる。
罪の償い方は分からない。
でも、もう二度と。
こんな汚い身体で誰かを汚したりしない。
誰にもか関わらない。
罰されるなかった自分を自分で裁く。
死ぬまで誰とも関わらない。
無期懲役になる。
幸せになることを許さない。
そう決めた。
準備をこっそり進めた。
幼なじみは地元の大学に進むと思っている。
幼なじみの欲しがるまま、身体を繋げあった。
幼なじみは欲しいだけ咥え込み、絞りとり、しゃぶり舐めて、飲んだ。
それでもどんなに貪っても。
その目は欲しがる。
焼いてくる。
「ひぃくん・・・ひぃくんはオレの」
何度も言われて、泣く。
狂わせてしまったと。
間違えさせてしまった、と。
少しでも修正がききますように、と。
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