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同級生 6
誰を抱いても満たされない。
高校生だったあの頃何度か身体を重ねただけの同級生に囚われていた。
何も話してないに等しいのに。
身体を貪た後の、僅かな時間の素顔にずっと恋焦がれていた。
中を何度も抉り、何度中で放っても。
あの微かな微笑みと、触れられる素顔ほどのリアルさを得れなかった。
何を話しかけたらいいのかも分からず、ただただ離れていくまで抱きしめるだけ。
腕の中の自分と同じ生身の少年を感じることが何より愛しかった。
こんな恋が。
初めてで。
最後で。
優しく可愛い女の子達と付き合っても、上手くいかなかった。
「私が本当に好きじゃないんでしょ」
そう言われて終わる。
事実だった。
誰に犯されてようと。
誰とセックしてようと。
それすらどうでも良かったくらい好きだったのは1人だけ。
欲しいのは1人だけ。
ずっとずっと。
大学へ行き、普通に就職した。
そこそこ上手く行っていて。
でも、もう誰ともつきあいたくはなくて。
それでもせがまれ、キライじゃないから付き合った彼女にいわれた。
「あなた、この世界にいないみたい。セックスしててもここにいない」
彼女の言葉に笑った。
彼と同じになっていた。
この世界が遠く切り離されているような。
ああ、彼はここにいたんだ、そう思った。
彼女は去った。
同じ世界にいる人を探しに。
それでいい。
でも、もう自分はここに来てしまった。
ここでなら、彼を見つけられただろうか。
ちがう世界から垣間見るのではなく、今、ここにいるなら彼に本当に振れられる気がした。
彼に会いたかった。
彼だけだった。
ずっと。
ずっと。
それだけを抱えていきていく。
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