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温もり

准君のベッドはダブルベッドだけど、男二人だとやっぱり少し狭い でも、それは俺には好都合だ。 俺と准君の肩が触れ合う 「尊・・暑くない?」 准君が俺の方に向きをかえて言った。 目の前に准君の顔があるから内心はドキドキだ。 「大丈夫だよ・・お休み」 鼓動が聞こえないか不安になりながらも、ニコッと笑顔を作った。 「おやすみ」 准君も、目を細目微笑を浮かべると、そのまま目を瞑った。 そして、暫くすると・・ 「すー・・ふー・・」 准君の寝息が聞こえてくる。 「・・・准君・・・」 俺はそっと准君の手を握り、そして目を瞑った。 准君の鼓動を手のひらから感じながら眠りにつく。 こんな幸せはいつまで続くだろうか。 ・ 『なんで・・姉ちゃんと・・』 「うん・・話しているうちに・・なんとなく・・」 嘘だ! 『なんで・・』 准君は俺の事が好きなはずだろ? 「もし・・紗希さんと結婚したら藤堂さんとも・・家族になるね・・」 『・・・・・准君・・・・』 嫌だ・・ そんなの絶対嫌だ! なんで・・ 何でだよ・・ なんで・・ 姉さんと結婚したら家族になる? 俺は・・俺は・・・ ・・おい・・たける・・尊! 「うう・・う・・」 「おい!尊!!」 「っ!」 体を揺すられる感覚に目が覚め 目を開けると眉を顰めた准君の顔が視界に飛び込んできた。 「あ・・准君・・」 「大丈夫?うなされてたよ?」 「あ・・そうなの?」 起き上がると、着ていた服も汗で濡れていた。 「・・悪い夢でも・・見た?」 不安そうに俺の顔を見た。 「・・うう・・ん・・・覚えていないや・・」 「覚えてない・・」 さらに眉をしかめ、俺の顔を見つめる。 「ゴメン・・もう大丈夫!寝よう」 適当に誤魔化せば良かったのに、嘘をつく余裕もなかった。 布団のなかに潜り込むと、准君も渋々横になった。 「ねえ・・准君・・」 「うん?」 「手・・握っても良い?」 恐る恐る聞くと、准君は少し驚いた顔をしたけど 「良いよ・・」 目を細目、笑みを浮かべながらそう言って俺に手を差し出してくれた。 「フフ・・尊の手・・暑いな」 俺の手を握ると小さく笑った。 「ゴメン・・」 「大丈夫・・明日も仕事だろ?寝よう・・」 俺の手を握り准君が目を瞑った。 (・・ヤバい・・泣きそう・・) 准君の温もりに目頭が熱くなり、俺も慌てて目を瞑った。 ずっと・・このままじゃダメだって分かってる 分かってるけど・・ 俺は、どうしても准君が手放せないんだ 好きなんだ 家族になるなんて嫌だった。 准君に触れたい 愛されたい・・・・ 「准君・・」 こんなに側にいるのに心が繋がらない悲しさに涙が零れた。

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