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第6夜 けしてあけてはいけない

ある日差出人不明の郵便物が届いた。 小箱のような手に乗るサイズのそれには 備考欄に 「けしてあけてはいけない」 とだけ書かれていた。 僕は構わず、謎の郵便物の包装紙を剥がし、中の紙箱の蓋を開けてしまった。 中には小さいオルゴールが入っていた。 小さい取っ手を回すと音は綺麗に鳴った。 金属製なので、通常のゴミ袋には捨てられない。 後で捨てようとして僕は窓際にオルゴールを置いた。 すると毎日毎日夜更けの決まった時刻にそのオルゴールは一人でに勝手に鳴り出した。 僕は調べようとしてオルゴールを掴むとオルゴールの裏側に「蓋を開けるな」と書いてあった。 構わず、蓋を開けてしまった。 中にはしおれた細長い茶色のものが入っていた。 手に取るとこれは人の指の乾燥したものであるということに気付いた。 爪がある。 驚いて床に投げ捨てる。 暫く震えたが、恐る恐る指を手に取ってみると、文字が刻まれてあった。 「さわるな」 もう触ってしまっている。 指をオルゴールの中に戻して、更に入っていた箱の中に入れ、地面に置き、明日朝になったらどこかに捨てにいこうと 気味が悪い中何とか努力して布団の中で眠りにつこうとした。 部屋を真っ暗くするんじゃなかった。 今日だけは明るくして寝てもよかった。 抑えていた恐怖が再び高鳴り出した瞬間、あのオルゴールがまた音を鳴らした。 怖くなって布団を被って震えた。 すると足から何かが這っている。 虫のように動き回るのは、長く細い、短い棒状のものだった。 這っていくものは、多分、あのオルゴールの中の指のミイラだ。 千切れた一本の指は、僕のパジャマの裾の中に入り、脛から太腿を歩くように這うと、やがて下着の脇の中から中に潜り込んだ。 指のミイラは下着の中の男性器に触り表面を這い回った。 動き回る指の動きは快感の神経を快楽へと導いた。 震えながら指の動く快楽にむせんでいると、いつしか指が後ろの穴にまで這ってきて、穴の中に埋もれハマっていくのが分かった。 そのままずっと入って際限無く奥を進んでいくので、体の奥深くの取り出せない場所にやがては入っていきそうで、目を開けて下肢を見ようと慌てて起きあがろうとしたら、目の前の布団の中の暗闇の奥には見知らぬ白い男の顔があり、そのまま布団の中に僕の体を引き摺り込んで襲ってきた。 朝起きて気がつくと箱は置いた場所にあのままの状態で置かれてあり、中にあのオルゴールと、オルゴールの中にはあの指が入っており、僕はすぐ近くのお寺に全部すべてを持っていった。 きっと差出人も悩まされていて、誰でもいいから押し付けようと、適当な住所を書いて郵送したに違いない。 けしてあけてはいけない   終

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