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第9夜 人魚の家系2

年若い青年医師は鱗の肌を持つ彼を診察台の上に組み敷きながら、鱗の皮膚が張り付いた足の間に入れた己自身をゆくりと動かし出した。 クリニックに通う内に次第にいつしかこのような関係になっていた。 青年医師は下に敷いた彼の喉に顔を近づけ、硬くなった鱗の皮膚を一枚口に含み、噛んで、歯で千切るように皮膚からひき剥がし、パリ…と乾いた音を出し食べていく。 喉から肩に顔を近づけ、鱗を口に含んではちぎり食べながら、鱗の抜けた跡を舐め癒すようにして、腰を奥深くまで動かしていた。 決して激しくない動きのまま、体についた鱗の皮膚はどんどん食べられていく。 ふいに青年医師がボソりと口にした。 「知ってる?人魚の肉は、中国では、食べれば#疥__ひぜん__#に効ある、と昔伝えられてたんだ。人魚の肉は皮膚病によく効くんだって。人魚の家系の君の肉を、自分自身で食べればその鱗は治っちゃうのかもしれない」 低い声音で囁くが、そんな想像するだに恐ろしいことを当人出来やしないだろう。 青年は尚も口中に乾いた鱗状の皮膚を含んでいく。 揺られるような抽送をされながら、鱗は一枚ずつ体から剥ぎ取られてった。 青年の関心の対象は明らかに鱗から肉へと変移している。 人魚の家系2 終

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