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ユラユラと揺れている。
いや、グラグラかな......。
そしてなんだか気持ち悪い。頭も痛く感じる。
コンコンコンってノックされてるみたいに小刻みに振動が来てる。
あぁ、頭が痛い。
「ぅあ??」
目を開けるとやっぱり自分の家じゃない。
「起きたか?オラ、水飲め」
みず、みず.....水?
そういえば喉がカラカラだ。
大きな手に支えられ身体を起こされ、目の前にキャップを開けたペットボトルが差し出される。
しかしそれを両手で受け取るも、ペットボトルが異様に重く感じ中身をパシャリと下半身にぶちまけた。
....冷たい。だけど気持ちいいなぁ。
「何やってんだよ....俺が飲ましてやる」
呆れたような低い声が聞こえたと思ったら、僕の口元に飲み口が現れる。しかし早く水を飲みたくて口をくっつけると勢い良く水が流れ込んできて「ごぱっ!?」と吐き出し咳き込む。
(こ、この人下手くそだ!!)
痛む頭でゴホッ、ゴホッと咳き込みながらそう思った。
あれ??......この人?
この人って誰だっけ.....
自分の思った事に疑問を感じた。でも痛む頭のせいで深く考えられなくて、またぼんやりと意識にモヤがかかる。
「チッ、仕方ねぇな」
その時、僕の唇に何かが触れた。びっくりして後ろに倒れるがそのまま抱きしめられるように抑えられる。そして口から何かが流れ込んできた。
「んぅ」
あ、水だ。水、水、水、水!!
コクコクと喉に通すが、まだ足りなくてチュゥッとソレに吸い付く。すると何故か身体が締め付けられたように苦しくなった。
「みず.....み、ず.....もっと、水.....」
でも、もっと水が欲しくて口が離れた隙にそう言葉にする。
「ん.....」
また水がくる。あぁ、もっともっともっと欲しい。だけど僕の舌に熱い感触が絡みつく。
熱い、熱い
これじゃない。僕が欲しいのはコレじゃない。
「ちがっ....んん''~っ、み、ず.....はむ」
嫌々と顔を背けるようにしても力強く顎を掴まれ向きを無理矢理戻される。
熱い。暑い。熱い。
頭がクラクラする。
耳にクチュクチュと音が届く。気持ちいいけど熱いけど違う。
苦しくて涙が溢れてきた。
「テメェは本当にっ....!!俺を煽んのがうめぇなァ!!!」
「ひぃっ、あぁ''ぁ''っ......!?」
興奮したような声に、内蔵を押し潰されるような感覚。僕は気持ち悪さと気持ち良さを同時に感じて更に頭が混乱した。
「うぁ、んっ''.....!あ''っ、あぁあ!っふ、ぅや!」
「なんでお前はそんな風に俺を苦しめんだよっ!」
「やめっ、あたまが.....!やぁあ!」
揺さぶられて頭がユラユラ
視界がグラグラ
痛いのに痛いのに
なんで気持ちいいの?
なんで気持ち悪いの?
......多分、僕の限界はもうとっくに超えていたんだ。
だからパンと弾けた。だからゴポリと溢れた。
張り詰めた風船が破裂したみたいに、表面張力で踏ん張っていた水が溢れたように。
全てがおかしくなった。
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