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夢魔 3
もう3日は寝てない。
限界だった。
必死で目を開けようとはする。
寝てはいけない。
いけないのだ。
その男は怯えていた。
寝なければ死ぬ。
でも寝ても確実に死ぬのだ。
でも。
もう確実に限界で。
寝ないために外に出て、そして、知る中でも一番騒がしい店に来ていたのだ。
身体に響く爆音。
店にあるステージの上で、バフォーマーが煽り、オーディエンスが応える。
人々は踊っている。
改変された楽曲を「サンプリング」というような世界はキライだったが、この煩さならきっと意識を保てると思ったのに。
だが男は眠ることへの恐怖で目を見開いたまま、眠りに落ちていく。
眠りたくない気持ちが、寝ていない夢を男に見せていた
夢の中で「起きている」男は寝ないで耐えて、煩さに感謝していた。
あと少し。
来てくれるその人がホンモノなら助かる。
もう寝たい。
眠りたいんだ。
男は夢の中で眠りたくて泣いた。
ステージの前で踊る客達がほとんどで、カウンターで飲んでるのは男だけだった。
目を開けて見える現実を男は夢見ていた。
脳は睡眠状態になっていた。
眠ってはいけなかったのに。
ビクン
男は震えた。
そして分かったのだ。
自分が寝ていることに。
これが「寝ていない夢」なことに。
だって。
気持ち良かった。
熱い吐息を耳元でかんじた
夢なのに夢じゃない。
これは現実よりも生々しい。
着ていたシャツがめくりあげられていた。
モヤのようなモノが固まったように見える指は、それでも熱くて人間の肌の触感で。
見た目はモヤのようにぼやけているのに、熱い肌の感覚だけはリアルで。
それは胸のそこを撫でさする。
「ああっ」
喉を反らして喘いでしまう。
この何ヶ月も。
そこを。
毎晩、乳首を弄られ続けて、もうそこは性器になってしまっていたから。
もう、知ってる。
ここでイクのがどんなに気持ちがいいか。
騒がしい店。
たくさん人がいるのに。
カウンターに腰掛けたままで。
よく分からない何かが自分を犯し始めていた。
いつものように。
これは夢。
夢だけど夢じゃない。
男は悲鳴を上げて助けを求めようとした。
誰かに起こしてもらうために。
でも。
もう簡単に尖り始めた両方の乳首を扱かれ初めて、悲鳴の代わりに喘ぎ始めた。
カウンターに座ったまま。
服を捲られ、何かに身体を弄られる。
夢。
夢なのか。
もう分からない。
さんざんされて、発達してしまった乳首は尖り、モノ欲しげに凝っていく。
ちんぽを扱かれてるみたいに、そこを指先で扱かれると腰が揺れてしまうくらい気持ちいい。
すき。
これが好き。
眠ってしまったから。
もうダメなのだとわかった。
もう、されるしかない。
男は絶望し、でも、絶妙に芯を捉えて快楽を引き出すその指に喘ぎ始めていた。
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