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夢魔 11
「お願いです・・・せめて見ないでいてくれますか」
少年はそれだけを願う。
フラフラしている。
眠くて眠くてたまらない。
「寝ろ」との忠告も受けている。
だが。
男の前では嫌だった。
男はむっつり不機嫌なままだったが、少年を二人の部屋につれかえってきたのも、ベッドの上に横たえたのも男だった。
「オレは・・・オレは大丈夫です。オレは・・・慣れてるから。ずっと親父達にされてきたし。殴られたり焼かれたりするわけじゃないから・・・でも、見ないで下さい」
必死で少年は男にお願いしていた。
そもそも、なんとかしてもらえること、それだけでも有り得ないほどの好意なのだ。
師匠や男が「問題解決」をどれほど高い金額で請負っているのか少年は知ってる。
2人はタダではうごかない。
自分には支払えるものがないのに助けてくれる。
でも自分が「身内」扱いしてもらえるほどの価値があるとは、少年には思えないわけで。
でもそうしてくれている。
それは自分へは過分な好意なわけで。
でも、でも。
助けてもらえなくてもいいから、男に見られたくなかった。
色んな男に犯されるのを見られてきたのに。
大勢の前でしゃぶらさせられ、何人もに交代で突っ込まれ、なんなら大勢が見ている前で自慰すらさせられてきたのだ。
でも。
嫌だった。
男に見られるのだけは嫌だった。
「オレ多分、もう寝てしまう・・・お願いします。見ないで下さい」
少年は泣いてたのんでいた。
頼めることなんか何もないのに。
何一つ男に変えせるもの等ない。
身体が代償だったのは最初の1回だけで、それすら喜んで抱かれてた。
何も男の好意に返せてないのに。
不思議と他の何かに犯されることで男が自分を嫌いになるとは思わなかった。
他の男に犯された跡を身体中に色濃く刻み込んでいる自分を抱く男がそれはないと思っているからだ。
背中に広がる火傷の1つ1つが全て、犯された跡なのだから。
男だけは。
この傷を受け入れて、キスして、舐めてくれるのだ。
でも。
見られたくはなかった。
それは別。
泣いて頼みながらも、意識は朦朧としていく。
男の目は怖かった。
いつもの自分に向けられる、優しい笑顔ではなかった。
少年は知らない。
最初からずっと少年の前ではそうだったから、男がそんな顔は他の誰にも向けてないことを。
「見ないでください・・・見ない・・・見いひんといてぇ・・・」
思わず敬語ではない素の言葉を吐き出しながら。
ベッドの中でさえ、敬語なのに。
少年は意識を失っていく。
泣きながら少年は訴えるたのひ。
だけど、男はそこから離れようとはしなかった。
目を背けようとはしなかった
「どんなお前も・・・オレのや!!」
葉を食いしばりながら男が呻いた言葉を少年聞くことが出来なかった。
眠りに囚われてしまったから。
そして。
始まった。
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