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夢魔 12

それが夢だと分かってる夢を少年は見ていた。 熱い指がシャツを服を捲りあげていく。 幼い頃から淫らに使われてきた身体は、もう乳首を尖らせていた。 10になる前にはもう、父親とその友人達のおもちゃだった。 でもそこに指先で触れられて声をあげたのは、し慣れた身体のせいじゃない。 その指があまりに優しかったからだ。 初めてされた時から知ってる。 それは男の指そのものだったからだ。 男の指が触れるそのままに、それは触れ始めてきたから。 男にされるそのままだったから。 少年は感じずにはいられなかった。 夢は少年の中の男としたセックスの記憶を使って少年を犯しているのだとわかった。 それはそのままだったから。 それを忘れるはずもない、それはどんなに蹂躙してきた連中とも違っていて。 だから。 だから。 少年は感じてしまう。 男とのセックスだけは少年をおかしくするから。 最初からそうだった。 初めてした時のことを少年は忘れてない。 下品で粗野な男がこんなにやさしく触るだなんて、少年は思いもしなかったのだ。 乱暴に貪られるのだと思ってた。 まあ良いか。焼かれながらするよりは。世話になったのだし。 多少の痛みくらい。 そんな事を思って抱かれることを承諾したのに、始まってみると全く違った。 まだ骨折していたから少年の服を脱がしたのも男だった。 そっと病院のパジャマのボタンを外された。 そう。 男は恥知らずなので、入院中の少年を抱いたのだ。 まあ、そこも非合法な闇医者の病院だったけれど。 そんな風に服を脱がされたことはなかった。 傷に触らぬよう、優しく慎重に、そして丁寧に。 どこも強く掴まれることなく、優しく脱がされた。 男は火傷の跡だらけの少年の身体に少し驚きはした。 でも、何も言わなかったから、少年はホッとした。 そして、男は信じられないくらいやさしく触れてきたのだ。 肌に指がふれるその優しい感触。 深く触れて来るときも、ゆっくりと沈ませてくる指と掌の温かさ。 せなか一面の火傷の跡を撫でられ、それからゆっくりと男は脇腹をなで、胸へとその手を進めてきた。 乱暴さは何一つなく。 でもゆっくり深くその肌の奥に触れて、男は快楽を引き出してくる。 何で、そんな風に触れることができるのだろう。 こんなに優しく誰かに触れることができるのだろう、そう少年は思った。 優しい。 でも、深くを捉えられる。 乱暴な指達では触れられなかった奥にある快楽を。 胸を揉まれただけで、喘ぐのが止まらなくなった。 手のひらが肌の少し下にある快楽を確実に捉えてくる。 早く終わらせるための演技でも、酷さや痛さから逃げるためにすがりつく快楽ともちがった。 その手に少年は最初から狂った。 みっともないほど喘ぎ、その指が優しく尖りきった乳首をつまんだ時には、喉を反らして叫んだのだった。 そんなことになったことはなかった。 1度だって。 「ここで感じるんか。女より感度がええな、可愛いな・・・ここでイキ?」 男は笑って指でその尖ったそこを甘くキツく扱いてきた。 そして、指の腹で潰し、摘んでまわし、本当に最初から少年をそこだけでイかせたのだ。 快感にポロポロ泣いて、痙攣する少年の身体を男は嬉しそうに見下ろしていて。 その目の優しさに少年は恥ずかしくてたまらなくて、でもだから余計に感じて。 もっと優しく乳首を虐められた。 男も少年のそこが最初から気に入っていた。 口も舌も歯さえも。 恥知らずで、優しかった。 ごめんなさい、ごめんなさい、と言いながら少年は何度も何度もイったのだ。 精液じゃ無いものまで噴き出して。 そんなのも生まれて初めてで。 男は少年の身体を最初から支配した 暴力を使ってでも抱いてきた連中では出来なかったほど深く。 そして、男は少年の身体に無数にある火傷の跡を1つ1つ舐めて溶かして。 少年はその行為に泣けて泣けて仕方なかった。 汚いキズ跡をそんなふうにした人は初めてだった。 肌の感覚がなくなっている深い火傷がたくさんある背中で、感じるはずの無い有り得ない快楽を感じて、そこでもイったのだった。 「お前、可哀想で可愛いなぁ。こんな傷だらけでなぁ・・・」 男は傷を嫌がらなかった。 むしろ、少年の悲惨さに欲情していた。 傷の1つ1つを優しく、でも、執拗に舐めた。 そうしたら、癒せるかのように。 「・・・優しくしたいて思ったん、初めてや」 男はふわりと笑った。 この男にこんな微笑みがあることを少年ははじめて知って、みっともなく感じているのがさらに恥ずかしくてたまらなくなった。 恥ずかしさに身をよじり逃げようとしても、身体をやさしくでも抱きしめられ、唇を塞がれキスされた。 キスも優しくて。 優しすぎて。 胸が痛くて泣いてしまった。 男は「1度男とセックスしてみたい」という好奇心なら始めたはずなのに、なかなか少年に突っ込んで貪ろうとはなかなかしなかった。 「優しくしたる。お前だけには優しくしたる」 男に何度も囁かれた。 男はした事もなかっただろうに、少年の性器まで咥えてしゃぶった。 「濡らさなアカンのやろ」 と穴まで舐めた。 それらすべてに少年は、恥ずかしくて真っ赤になって、それでもみっともない程感じたのだった。 挿れられただけでイったのも。 初めてだった。 何もかもが。 誰よりも犯されてきたのに。 セックスなんて食事の回数より多くしてきたのに。 初めて。 夢中になった。 少年は何もかもを男に明け渡した。 価値等ないけど、渡せるものがあるなら全てわたしたかった。 だって。 優しかった 優しかったから。 「可愛いなぁ・・・オレに穴まで懐いてくるわ。お前、もうオレと居れ」 男に言われた言葉が本当になるなんてその時には思わなかった。 甘く中を捏ねられた。 みっちり満たされて、揺すられながら連れて行かれる快楽に泣き狂った。 「ああ、いいな。こんなに欲しがられるん、初めてや。そんなにええか?絡みついてたまらんわ」 男が呻いた。 少年はただ声を上げるだけだ。 「もっと鳴け」 「良いんだろ?そう言え」 反応すら気に入らないと、殴られてきたのに、今初めて自分から狂ってる。 欲しくて自分から尻を振り、欲しくて中から締め付けてしまう。  「もっとぉ・・・・」 泣いて強請ったのも初めてで。 「たまらんわ。可愛い」 男の嬉しそうな声が落ちてきたのも、イキながらキスされたのも初めてで。 でも。 最初のその時から。 少年は男のモノだった。 触れられたら何もかもを渡してしまう。 そう、おそらく。 そんなに価値はなくても生命でも。 だから。 夢が。 男そのもののやり方で触れてきたから。 少年はそれを拒否することなどできなかった。

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