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夢魔 16

「あ・・・」 少年は目を瞬いた。 自分が口に出してしまった言葉を自覚したのだろう。 真っ赤になっていた。 まだ、ぱっくり後ろの孔が空いたまま、犯された精液を垂れ流しながらする顔ではなかった 純情そのものの、少年の顔。 「好き」なんて言うつもりじゃなかったのがわかる。 いや、少年の気持ちなんてだだ漏れで。 いや、分かってたつもりだったし、自分のモノだと思ってたし、てばなすつもりもないし、居場所は常にGPS・・・ でも。 男も真っ赤になっていた。 中学生から付き合う前からセックスするような関係しか知らなかった。 「好き」も何もない。 まずはとにかくセックス。 話はそこからだった。 いや、少年ともまずはセックスからだったのだが。 え。 と。 これは。 何をいえばいいんや。 男はかたまっていた。 少年の顔が羞恥から、後悔に変わる。 言ってはいけなかった等と思っているのがわかる。 大体、めちゃくちゃ感じさせてやらないと、「イかせて・・・もっとぉ」とかも言えない内気さなのだ。 「なにが欲しい?なんでも買うたる」 と言っても、なにも欲しくないと首をふり、半ば強引に聞き出したなら、料理の本を買って欲しい、少しでも美味しく作れるように、というような少年なのだ。 とりあえず服でも何でも押し付けるように与えてはいるが。 何も望まないのだ少年は。 「好き」だなんて自分が言ってしまうのは、迷惑だったのではとか色々考えているのは、わかる。 わかりすぎる。 とりあえず抱きしめた。 自分以外の何かに中に出されまくり、犯されまくった跡だらけの身体を。 男がそうするのが好きなように、見えない何かも、少年の火傷のない皮膚の部分に、赤い吸い跡までたくさん残している。 「知ってるし、分かってるで」 そう囁いた。 背中を撫でてやれば、イかされ続けた身体は反応して、ビクビク震えた。 腹立たしい。 でも。 誰に何をされようと。 少年は自分のモノだ。 過去も未来も変わらない。 気にすることもない。 「・・・好き、でいいですか?」 少年が顔を歪めて泣く。 「好き・・・なんです・・・好き・・・」 言ってみてから自覚した、みたいな。 でなきゃこのタイミングで言わないだろう。 化け物に犯された後に。 「かまへん」 男はそう言って安心させた。 少年はホッとしたかのように男の胸の中で泣き出した。 犯されたことより、告白してしまったことの方が衝撃なのが、少年のそだった環境の酷さをわからせてしまう 「オレを好きでいとけや」 男は傲慢に言い放ち、でも顔を胸に埋めているから少年に見えない男の顔は、満面の笑みを浮かべていた。 当たり前だ。 好きでいておくべきだ。 そう思った。 少年か自分を好きでなくなったとしても手放すつもりはない。 好きでいても嫌われないと安心して泣く少年を男は笑顔で抱きしめていた。 「まあ、この状況はアレやなぁ・・・」 でも苦笑する。 少年は何かに犯されまくった後。 自分はその少年を見ながら自慰をしていて、性器を放り出したまま。 問題は何一つ解決してない。 少年は泣いて泣いて。 「泣き疲れたら、また寝てまう。寝ないのはダメだと言われてるけど、必要以上に寝る必要もないやろ」 男は少年に言い聞かせた。 寝たらまた始まる。 分かってた。 本当は少年の身体を貪りたい。化け物の跡など全て上書きしてやりたい。 だが。 それは。 少年の身体を弱らせることになる。 「なんとかしたるからな、絶対になんとかしてやる」 男は少年を抱きしめた。 少年はやはり我慢できずに泣きじゃくった。

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