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夢魔 17

男は生まれてこの方した事のなかった我慢をしていた。 少年の孔の中から精液を掻き出し、身体を綺麗にしてやりながらも、少年とセックスをしないように心がけていた。 身体を弱らせてはいけない。 専門家が来るまで待つしかない。 でも、散々そこを使われて柔らかく蕩けた孔や、舐めて吸われて赤く熟したお気に入りの乳首。 舐めて癒してやりたくなる傷跡、それらを見ると欲情するし、何より自分じゃないモノがそうしたかと思うと、腹の奥で何かがのたうち回る。 オレのや。 オレだけのや。 でもそれで少年を責める気にはならない。 可哀想に。 可哀想で可愛い。 これが歪んだ性癖なのだど自覚している。 癒してやりたい。 出来ればセックスで。 だけど今は。 耐える。 少年がオズオズと手をいきりたってる男の性器に手を伸ばしてきたが、その手を優しく掴んでやめさせた。 「少しでも。体力を温存するんや。眠たかったら寝ろ。・・・『アレ』が始まっても仕方ない。でもオレはおる。ずつとおる。始まったらずっとキスしてやる。ええな、オレにされてると思え。キスしてんのはオレやから」 男は優しく言った。 少年の目からやっと止まった涙かまたあふれてきて、男は苦笑しながら拭ってやった。 「まあ、オレもこれからお前で抜くけどな。オレがオナニーなんてなぁ」 男は苦笑した。 したければ相手に困ったことなどない。 少年に無理をさせたくないから、少年が来てからだって、何度も外で女を抱いて処理してきた。 男は少年にだけは優しくしたいのだ。 だが流石に、この状態の少年を置いて女を抱きにはいけない。 自分でするしかない。 さっきも犯されてる少年を見ながらしていたけれど。 気に入らない。 自分のモノを犯されるのは気に入らない。 相手が人間だったら確実に殺す。 腸が煮えくり返る。 だが。 だが。 少年を抱きしめた。 「オレはお前が可愛いんや」 ささやいた。 それは本音だった。 可哀想で。 可愛い。 本当に。 酷い目にあったなら慰めて優しくしてやりたいとしか思えない。 こういうのは。 初めてで。 少年が酷く傷ついているからこそ、強く少年に男は引き付けられてしまうのだと。 優しくしたい。 赤の他人にそんなことを思ったのは、少年の痛みや苦しみに触れたからで。 それは歪んでいるのかもしれない。 本当のやさしさではないかもしれない。 その歪み。 だが、こういう男だからこそ、少年の全てを受け入れらた。 どんなに何に犯されても。 そこを責めることはないのだ。 絶対に。 少年は酷くされ続けてボロボロで。 自分が一番自分を受け入れられないのだ。 だが男だけは少年を全て受け入れるのだ。 何に犯されていようと、まさに犯されている瞬間でさえ、優しいキスをして離れない。 「お前見ながらしとくわ。ホンマは可愛がってやりたいけどな」 男はため息をついた。 少年は真っ赤になって頷く。 その顔を見ながら、男は自分で扱いた。 少年を胸に抱きながらするオナニーは。 思いのほか良かった。 キスはした。 優しく触れるだけの。 「好き」 我慢出来ないように零れる少年の言葉を、笑いながら男は唇で啄んだ。 「知ってる」 そう言い切る傲慢さ。 でも。 少年はそれで良かった。 それ以上を求めることは出来ないから。 万が一男に好きだなんて言われたなら、少年は男の前から消えただろう。 何かに取り憑かれたままでも。 そんなの。 こんな自分なんかが好かれてはいけないから。 今でも。 こんな自分を置いてくれているだけでも、申し訳ないと思っているから。 男が他の女を抱いていると痛みは感じてもどこか 安心した。 そんな風なら、まだここにいてもいいんだと。 歪んで。 それでも。 だからこそ。 男と少年は釣り合っているのもしれない。 電話がかかってくるまで、ただ、2人は抱き合っていた。 電話は。 タテアキからだった。

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