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夢魔 21

「ひい・・・ん」 少年はあまく溶けた声を上げる。 小さな尻が割りひろげられ、穴が濡らされ、パクパクと口を開けているのが見える。 舌でつつかれ、舐められ、中まで舌を受け入れているのだとわかってしまう。 毎日のように可愛がっているそこは、女のように男を受けいる器官になっていて、舌や指で可愛がるのも楽しい場所になっている。 だが。 それをしているのは男ではない。 男ではない舌に少年は身悶えていた。 目に見えない顔が少年の尻に顔をうずめて、そこを楽しんでいるのだ。 それを見てしまう。 その見えない何かが見えないからこそ、舐められた穴がどんな風にひくつくのか、舌に穴が割り開かれていくのが見えてしまう。 舐められながら、濡れそぼった性器を手で扱かれているのもわかってしまう。 玉まで揉み込む動き。 零れだす先端を虐めているのも。 「気持ち・・・いい・・・ああっ・・・」 少年が喉を反らして感じている。 守るように抱きしめているのに、男の身体を通過して、少年の体を好きなように見えない何かは弄っていた。 腹が立つ。 少年は男のモノなのだ。 感じてしまう少年を責める気にはならない。 少年は男に抱かれてる夢をみているのだから。 見えない何かは、男が少年を抱くやり方で少年を抱いてることはわかりすぎる程分かる。 少年の身体が波打ち始めた。 今度は舌ではなく指で、穴を虐めて、口で可愛い性器を可愛いがってるのだ いつもそうしてるから、わかる。 「 さん・・・ さん・・・気持ちいい・・・好き・・・」 少年が切ない声でいうのを抱きしめている。 自分の腹の上にのせて抱いてる少年は尻を持ちあげられ穴と性器を嬲られている。 波打ち震えて感じて。 それを見るしかない。 だけど少年を中途半端に覚醒させたくはなかった。 少年は自分が男ではないものに抱かれているのを知りたくないだろうし、目覚めてしまえばまた支配されて男に襲いかかってくるだろう。 眠る間は犯される。 そうなっている。 それを利用して、タテアキが来るまでまつしかないのだ。 男が気に入っている少年の小さな唇が、半開きになって、甘く声を漏らしてる。 少年は甘く蕩けて、美味いのだ。 本物の菓子など甘党ではないから男は嫌いだが、少年の甘さならいくらでも楽しめた。 身体のあちこちにおるピンクのひきつれた火傷跡さえ、甘く色づく砂糖衣みたいだ。 「可愛い、マジ可愛い、ホント可愛い」 男は抱きしめて言った。 他の誰かに抱かれていても、可愛くて仕方ない。 こんなの、ありえない。 複数の女と寝たことならなんどもあるが、他の男と一緒に同じ女としたことはない。 それは趣味じゃない。 複数の女に突っ込むのはいいが、他の男がしたあとにしたいとは思えない。 そういう趣味はない。 もちろん、倫理や独占欲からでもない。 単なる趣味の問題だ。 他の男としたくないというだけの。 他の男に突っ込まれて喘いでる女を見ても、なんだか醒めてしまうだけだ。 シラケる。 他の男とたのしむ趣味はない。 複数の女となら? それは嫌いではない。 だけど。 少年は違った。 他の男に抱かれていても、可愛い。 抱いてるソレにムカつくが、人間ではないからどうしようもない。 だが、同時にどうしようもなくエロかった。 しかも、自分に抱かれていると思ってここまで乱れているならなおさらだった。 キスをする。 自分ではない他の何かの指でイキ狂っている少年に。 少年は舌を欲しがって、イキながら、それでももっともっとと欲しがる。 何も欲しがらないくせに、イカせたなら貪欲で。 そこがいつも可愛かった。 「ああっ、おっきい・・・おっきい!!」 少年が目を見開いた。 めにみえない何かに抱えられている尻の、孔が大きく開いていく。 デカいモノをそこにぶち込まれているのだとわかった。 「イク・・・イクぅっ!!」 少年が叫ぶ。 申告するように躾けたのは男だ。 入れられるだけで、少年は射精していた。 震える身体を抱きしめながら歯噛みした。 見てるだけだと? 見てるだけ? 男の男だけが入っていい、あの暖かくて気持ちいい穴を人間じゃないとはいえ、誰か、いや何かが入ってるなんて許せなかった。 それは生まれて初めての独占欲だった。 もう我慢出来なかった。

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