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仮面 7

「わかってる・・・だからちょっとだけ、な?」 男にせがまれたなら断われなかった。 何を男がわかってるのか分からないけれど寝室に連れ込まれてしまう。 「ゲスが!!ソイツが嫌やったら言いや、殺してやるから!!」 その人がキレる声を背中に受けながら、少年は男にに寝室に連れ込まれる。 服を脱ぐ間も押しんでズボンをずらされ、剥き出しにされた尻にローションを注がれる。 穴を解されながら、優しい優しいキスをされた。 甘いミントの味が、男のタバコの味の苦さと共にした。 男はこういうのは食べない。 直前まで抱いていた女の味なのだとわかってしまう。 でも舌はこの上もなく優しいから。 少年は泣いてしまう。 「可愛いなぁ・・・」 うっとり男がそれを見ながら言う。 指は優しくいやらしく動く。 抱いてきた女達の匂いに包まれて、また少年は泣いてしまう。 「そんなに他の女をオレが抱くのが悲しいか?ホント可愛いなぁ・・・」 優しく感じる場所を指で突かれて、漏れそうになる声を少年は抑える。 昨日隣りに少年が寝ているから嫌がっていた彼を、あの人が抱いたように、今度は隣りの部屋に2人がいるのに少年が男に抱かれてる。 でも。 少年は男を拒否などできない。 したくもない。 セックスしかない。 それくらいしか応えられるものがないのだ。 「声まで殺して、恥ずかしい?可愛いなぁ」 男はうっとりと少年を見詰めて、いやらしく指で少年の中を責めた。 恥ずかしい。 男だから恥ずかしい。 なん人もの前で犯されてきたし、撮影だってされたことがあるのに恥ずかしい。 少年の動画はネットに拡散はされなかった。 身体の火傷から特定されるのを恐れたし、その火傷の責任まで取らされるのを撮影者達が恐れたからだ。 だが不特定多数の人間の間で今でも流通しているはずだ。 それくらい少年にもわかってる。 誰に何をされても恥ずかしいなんて思わないと思ってたのに。 どんなことにも慣れてきたつもりだったのに。 男の前だと恥ずかしい。 そして、男に付けられた首筋のキスマークを見詰めてしまう。 そこを綺麗な女が吸ったのだ。 恐らく、マンションの部屋の中にいる誰かに見せつけるために。 「つけるな言うたんやけどな。気になるなら消して?」 男に甘えるように言われた。 泣きながら男の首筋に唇をつける。 女のつけた跡を舐めとろうとして、ルージュを舐めても消えなくて、泣きながら吸ってそれを自分の跡に変える。 男は吸われる間笑っていた、 楽しそうに。 嫉妬で泣く少年が可愛くて仕方ないように。 ルージュを舐めっとった舌を男に吸われて舐められる。 やっと男の舌は男の味しかしなくなっていた。 でも、ルージュの味が苦かった。 「可愛いなぁ・・・。ほら、後ろ向き」 男に言われたならなんでもしたがう。 自分から尻を持ち上げ、はいつくばる。 シャツをまくりあげられる。 せなかには酷い傷痕しかない。 タバコを押し付けられ、犯されつづけてきた結果の。 この身体はそういうふうに楽しまれた。 男だけは違う。 優しく舌を傷痕にはわせる。 傷の1つ1つをいとおしむように。 火傷で感覚などないはずのソコに、1番感じてしまうのだ。 舌で舐められる度に性器がみとっともなく震えて。 舐めて吸われる度にそこから滴る。 声を殺す。 隣りにはあの人と彼がいる。 いや、彼は「術の準備」でいないかもしれないし、ならば彼についてあの人もいないかもしれない。 そうであって欲しいと思う。 だって、もう我慢できない。 傷痕と舌でこそげられ、唇で食まれ、吸われる。 汚い傷跡を、これ以上もなく愛おしまれて、身体以上に心が感じてしまうのだ。 「声、聞かせてや。なあ?」 あまく強請られて。 でも、女の匂いに包まれて。 女のモノに入れてたモノを後ろにあてがわれて。 「女に入れてまだ濡れたもんをお前に入れるはいい」そんなことを悪いことではないように言う男だから。 辛くて。 でも欲しかった。 自分から尻を上げて入れられることを望んだ。 「泣いて嫉妬して、でも欲しがって。お前が1番可愛い」 男の言葉が残酷で甘い。 一番なんか嫌。 一人じめしたい。 でもそんなのも無理。 少年にだって男は「一番」でしかないのだ。 もう「ただ一人」にはならない。 過去も今も。 いつだって男以外の誰かや何かに犯されるしかないのだから。 だからこそ。 男を拒否することなど考えられない。 好きな男とセックスできるのだから。 誰に何をにされても。 この人とする以上のモノはない。 「声聞かせてや」 囁かれたら、仕方ない。 「入れてぇ・・・」 自分から強請った。 「可愛い・・・ホンマ、可愛い・・・」 ゆっくりと大きなモノが甘い声と共に入ってくる。 乳首をゆるゆると指先で潰されながら。 女の香水の匂いに苦しくなり、男の体温に溶けて、甘く緩やかに溶かされる後孔に狂う 「ああっ・・・好き・・・好きぃ・・・」 男のために鳴く こんな声でもよろこんでくれるなら。 隣りの部屋にいるあの人と彼への恥ずかしさはある。 自分をマトモな人間として扱ってくれるあの人達の前ではそうでいたかったから。 でも。 男が好き。 気持ちいい。 「可愛い・・・マジ可愛い。可愛いのはお前だけやからな?」 囁かれる言葉に嘘はないと思う。 でも。 女達の匂い。 嫉妬に焼かれて。 でも、感じて。 だいすきで。 「女のソコよりお前のココが一番や」 比べられて嫌で、でも自分も比べてしまっていて。 「こんなにオレを欲しがるのはお前だけや。すごいなぁ、ナカの全部でオレを絞りとりにくる」 その言葉が切なくて。 でも。 男に優しく深く犯されて狂う。 「いいっ・・・好きぃ・・・ああっ・・・」 その声の甘ったるさ。 男が犯す女達は、こんなに甘く鳴かないことも知っている。 獣のように感じて狂って。 男はそんなことは少年にだけにはしない。 甘く甘く優しく。 少年をイカせ続ける。 その目も指も、何もかもが優しい。 自分の欲望を度外視してるのもわかってる。 それがこの自分の欲望に忠実な男にどれだけ特別なことなのかも。 どういう気まぐれなのか分からないけれど。 「可愛い・・・・オレが好きやろ?」 言われたなら、何度も何度も頷く。 「好きぃ・・・」 少年の言葉に男は誰よりも甘く笑う。 「オレを好きでおれ」 囁かれる言葉も甘くて。 それに溺れるしかなかった。 苦しくて甘くて、手放せない。 好きでいることをゆるされている。 それが少年の唯一だった。 この世界で生きることの。

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