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仮面 11
「ああ、キスして欲しいんか・・・」
男は少年の気持ちが分かる。
深くイカされ怖くてたまらなくなった少年に、優しいキスをくれるのだ。
色んな男に酷く使われてきた身体はどんなに酷くされても感じるようになった。
耐えるために。
でも、深く感じることは知らなかった。
それを男が教えてくれた。
男に抱かれてから始めて知った。
快楽とはどこまでも深いのだと。
苦しみから逃げるために快楽にしがみつき、それを嘲笑われていたのとは全く違う。
「こんなにされてるくせに感じる淫乱」とされていたあの快楽とは全く違う。
深く揺さぶられて、優しくあまく溶かされて。
少年を男はイカせてくれる。
奥まで収められ、背中を撫でられクプクプと奥で出し入れされた。
たのしむために使われるのではなく、どこまでもそれは甘い。
少年を見ながらの、少年のためのリズム。
深く責められて。
でもそれは少年を連れていくための振動で、そして欲しがり絡まる中を望むように突いて崩してくちゃくちゃにしてくれる。
中から重く焼かれるようで。
少年は感じすぎてしまう。
感じすぎて痙攣する身体を抱きしめて優しいキスで宥められるのが嬉しい。
貪られるのじゃなくて、与えられているのだとわかるから。
怖い程の快楽も悦びでしかない。
「こうされたいんやろ?中から可愛がってやるからな」
男はキスの合間にささやく。
少年の中がキュンと締め付けて男を欲しがる。
「お前はホンマ・・・穴の中まで可愛いなぁ・・・」
その声がまた深さに連れて行く。
また重く甘くぶち抜かれた。
突き当たりをこじ開けられ、くじられる。
「!!」
声すら出ないその衝撃の深い甘さ。
「たくさんイけや。ここでたっぷり出したるからな」
男の声の甘さと、奥に出される期待に、またイってしまう。
もうぼっきすらしてない少年の性器は精液ではない液体を吹き出させていて。
また痙攣する身体を抱きしめられて、甘く舌を吸われて。
「可愛い・・・ホンマ、可愛い」
そう何度もささやかれて。
ひくくうめく声。
熱く中に迸るモノ。
熱いモノで胎内を満たされる感覚、そして熱と鼓動に酔いしれる。
「好きぃ・・・好きぃ・・・」
そう叫ぶことしかできない。
「そうか・・・そんなにオレが好きか」
男の声はどこまでも甘い。
その声も掠れてて。
「ほら、またイキや」
出しながら動かれ、知ることかできる充足感。
イキながら、満たされる。
どんなに快楽を感じでも、切なくて、足りなくて、苦しかったのに。
満たされるこの感覚は、男とした時にしかない。
欲しがる唇にまたキスをくれた。
キスキスキスキス・・・。
キスが好き。
男がしてくれるモノだけがキスなのだと少年は思ってる。
「いい子やな。もう1回したいか?」
男だけは聞いてくれる。
誰も聞いてくれなかったのに。
「欲しい・・・」
少年はせがむ。
「今度は奥やないとこでイこうな?浅いとこもすきやろ?奥ぶち抜かないで、奥をトントンされるんも」
男に甘く言われて言葉だけで、またイく。
「可愛いわ。ホンマに」
男が沢山顔にキスをおとしてくれる。
「オレばっかり・・・」
少年は 申し訳なくて泣いてしまう。
男が自分の快楽は度外視してるのがわかるからだ。
「オレが好きでやっとる。これがええねん。お前が可愛くなるのが一番や」
男の言葉が本音なのはわかる。
だって。
「自分が楽しむだけやったら、他の女相手で十分や」
男が低く下品に笑うから。
男は嘘を言わない。
いつだって。
苦しくなってしまうけど。
これは仕方ないことなのだ。
「ほら、気持ち良くしたる。好きなだけ感じとき?」
男がまた動き始めた。
少年のために。
少年を気持ち良くさせるためだけに。
少年は胸の痛みを感じながら、でも。
だからこそ。
溶かされていく。
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