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閑話 男と少年のハジメテ 3

「ああ・・・舐めないでぇ・・・」 少年は全身を朱に染めてすすり泣いていた。 背中の火傷痕を散々なめられ、イカされた後、男は丁寧に少年の身体を開いていった。 抱かれ慣れてるからと少年を選んだくせに、なにも知らない処女を抱くように。 そんなことはされたことがなかった。 胸の乳首を何かのスイッチだと勘違いした男達に、つままれ齧られるのには慣れていて、早く終わってもらうために、感じるフリをするのは良くあることだった。 でも男に本当に優しく触られ、優しく優しく舌で舐められて、それに泣いて感じていた。 優しさに感じるのだ。 なんでそんなにやさしく触れるのかわからない。 優しく舐められて、悶える。 舌先からも思いやられるのがわかる。 それに情けない程感じていた。 恥ずかしかった。 だってこれは。 逃げるためにある快楽じゃなかった。 「もう、挿れてぇ!!犯してぇ・・・」 泣いて頼んだのは、慣れてる行為の方が安心出来るからだ。 「アホ、犯したりなんかするかい」 男は笑った。 優しく乳首を噛まれ、もう片方も摘まれた。 でもそれは決して痛みにはならない絶妙な強さで。 快楽の中に痛みがある方が正気でいられるのだと少年は知る。 ひたすらな優しさと甘さは、狂うことに歯止めがきかなくなるのだと。 「乳首だけでイけ」と弄られ、その言葉に従うために必死でイクのとはわけが違った。 またイった。 胸だけで、イきたくないのにイっていた。 「ひぃん・・・」 恥ずかしくて顔を覆って泣いてしまう。 情けなく腰を揺らしながら。 イきたくないのは恥ずかしいからだ。 これは逃げる為の快楽じゃなくて、少年のためだけに与えられた快楽で優しさだからだ。 そんな風に感じたことはなかった。 大体セックスしてもいいかと合意を求められたこともなかったのだ。 「恥ずかしがるんやない・・・可愛くなるだけや」 男は笑って、少年が出したばかりの性器に触れた。 触れ方だけでわかる。 それが思いやられている触り方なのだと。 敏感になってるそこに甘く触られまた、声が漏れてしまう。 「そんな超え出して・・・ここは病院やでぇ?・・・まあ、金渡してるから邪魔は入らんけどなぁ。 そんな声だしたら、入院患者さんはみんな、シコってるんちゃう?無理して死んじゃうヤツもおるかもな、ここの患者はかなりハードなヤツしかおらんし」 男は笑うが、どこまでも指は優しくて。 優しく撫で回され、先を擦られ、ビクビク震えてしまったが、追い詰められはしなかった。 そして、穴にやっと触れられた時には安心した。 突っ込んで、ガンガン突いて、イって終わる。 それに安心した。 奥までこじ開けられて。 されてないことはこの身体にはない。 だから、安心できる。 もう、こんな優しいのは怖い。 でも男はそこにねじこんだりしなかった。 腰を抱えられて、挿れられるんだと思ったのに。 使い慣れたのがわかるそこを、やさしく撫でた後、そんな所まで舐め始めたのだ。 「だめぇ・・・だめぇ!!」 少年は本気で叫んだ。 そんな。 そんなところ。 「風呂にはいれてもらったところやろ?頼んどいたからな」 男は笑った。 確かに風呂には入れられていた。 そんなことまで手配済だった。 だがそういう問題ではない。 子供の全身を舐め回したい連中にそこを舐められたりもしたので今更そんな行為に驚いたりはしない。 「気持ちようなっとき、な?」 宥めるように言われ、熱い舌がそこを舐めていく。 戯れに焼かれた尻にもある火傷にも。 「ダメ・・・ダメ・・汚い・・・」 少年は本気で嫌がる。 ソコは処理穴だ。 色んな男達がトイレのように使ってきた場所だ。 こんな優しい男がそんなことをしてはいけない。 入院と同時に性病の治療も受けた。 幸い治療可能だったが、複数の性病にかかっていたのは当然だった。 だれも予防などしようとしなかったのだから。 治療は終わったと聞いている。 でも、自分の身体はそういう場所にされていて。 そう使われてきて。 優しくしてくれる人に、そうされるのは・・・嫌だった。 だって汚れてしまう、そんなのダメ。 そう思って。 「アホ。お前が汚いことなんかあるかい。可哀想で、その分とことん可愛いだけや」 男は笑って止めなかった。 舐められて感じた。 傷を癒すような舌。 沢山の男に使われたことを慰めてくれていた。 いつだって嫌だった。 感じてイクことしか逃げる方法はなかった。 そんなことさえこの男は受け入れてくれているのだとわかった。 この男には少年は可哀想で可愛いだけで、それ以外の余計な感情が何一つないのだと。 自分が哀れではなかった。 きたなくもなかった。 そう、この男の前では。 身体がまたひとつ解けた。 指と舌だけでイカされた。 指と舌で優しく優しく穴を 解されて、やっと男のモノを押し当てられた時にはトロトロに蕩けきっていた。 男があまりに優しいから、自分の身体には蜜が詰まっているのかと思うほどに。 「可愛い・・・ホンマに可愛いなぁ・・・オレ、こんなに優しくしたいと思ったん初めてや」 不思議そうに男は言った。 男は何度も挿れる前にキスしてくれた。 熱い男のモノを少年は腰を揺らして受け入れた。 少年はそれに甘く鳴いたのだった。 自分ばかり、 自分ばかり、 そうは思ったけれど。

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