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仮面 32

いつもより激しく抱かれていた。 斬られた触手も霧のように霧散していたけれど、血のような体液の飛びちったままのベッドの上で。 気絶したイガラシの隣りで。 男は大してイガラシを気に止めていなかった。 そこにあるモノくらいの扱いだった。 いつもより激しく抱かれてた。 少し余裕がないくらいに。 それでも男は十分優しかったけれど。 でも聞かれる。 穴を男のモノで満たされながら。 「良かったんか?あのバケモノの舌は?どうやったんや?」 わざとゆるゆると動く。 いつも、追い詰めすぎない、少年が蕩けるところで甘く溶かされていたのに、足りないところでとめてくる。 「お願い・・・お願い・・・」 焦らされて泣く。 そんなことはされたことは無かった。 でも、男の目は優しい。 場違いなほどにやさしい。 髪を撫でられ、耳を舐められながら優しく聞くのだ。 「どうやったんや?穴の中、奥まで舐められて?」 囁かれる。 それに泣く。 そんな酷いこと。 聞かないで欲しい。 「教えろや・・・お前のことは知りたいんや・・・オレの為に教えてや・・・なぁ、どうやった?舌はどこまで入ったんや?」 男は少年の腹を撫でた。 中に入っている男のモノを腹の上から押さえられ、少年は腹で感じた。 中で、緩くしか動かれない分、その刺激が欲しすぎた。 身体を震えさせる。 「イク・・・イクぅ・・・」 イク時は言わなければならない。 男にそう仕込まれてたからそう言った。 少年はあえいだ。 自分を締め付ける少年に、男も喘ぎ、堪えるような顔をした。 その顔に少年は見蕩れる。 男は少年が見てきたきたない誰とも違って、本当に綺麗だった 男らしくて、男の色香が漂って。 「あのバケモノの舌でもイったんやろ?オレのちんぽより奥まで入ったやろ?あの長さなら」 聞かれた。 それに泣く。 酷い。 なんで。 なんで。 「聞かせろや。お前が気持ちようなったんなら、オレはそれでええ。でも、【聞かせろ】。お前が話せばそれは、お前がオレとやったんと同じや。・・・オレ以外としたないやろ?・・・お前はオレが大好きやからな」 髪を撫でながら優しくささやく声には、優しさしかない。 尻を掴まれ、ゆっくり中で回された。 その動きにシーツを掴んで少年は声を上げる。 少年の好きなやり方だ。 そうされたら、尻を振りたくってしまう動きだ。 そうしていた。 「お前が気持ちようなったら、オレはそれでええ。お前ならええ。だから、教えてや・・・なぁ、どうやった?」 男は優しく聞いてくる。 それに少年は混乱する。 父親達は少年を軽蔑した。 自分達が好きに使っておきながら、「誰にでも感じる淫乱」だと。 イク度に嘲った。 男にそれをされたなら死んでしまうと思った。 男に嫌悪されても耐えられないと思った。 男に対してだけは、自分の中に引きこもっても、自分を守ることか出来ない。 男だけは少年を傷つけることができるのだ。 本当に。 ただ一人だけ。 本当の自分を渡してしまったから。 何もない少年に、渡せるものはそれしか無かったから。 だが、男は嫌悪も軽蔑もなく、聞いてくる。 男以外でイク時のことを。 「アレならオレのより奥に入ったやろ。良かったか?」 男が腹を押す。 男のが入っているより先を。 仮面に舐められたところ。 奥のそのまた奥。 人間では無理なところ。 「ひぃ・・・ふいっ・・ひぃ」 少年はそこでイク 男に指で押されて。 仮面に舐められたことを身体が勝手に思い出して。 「ああ、もうここでもイケるんやな。腹を指で押してやっても。ここまで開発されたんか。良かったか?」 聞かれる。 「どうやった?気持ち良かったか?」 執拗に、腹を押され、ゆるゆる中で動かれながら。 「オレの精液じゃ無いもんで中が濡れとる。舌でたっぷり舐められたんやな・・・奥まで」 それを味わうように、少し激しく動かれた。 足りなくて欲しくて、気持ち良くて。 混乱して。 怖くて。 「嫌わへん・・・オレはお前が気持ち良かったらそれでええ。オレはお前を責めたりせん・・・オレに言え。オレに言ったらそれはお前はオレとしたんと同じことや。仮面とやない、おまえはオレとしたんや。ええな?」 優しく言われる言葉の意味はわからない。 でも。 怒ってない。 嫌ってない。 軽蔑してない。 それは分かって。 男が聞きたがってるのもわかって。 少年は。 拙い言葉で話しだした。 「奥、奥までぐちゃぐちゃ舐められ・・・ひぃ、あっ・・・奥のソコをぶち抜かれてぇ・・・ひぃん・・はぁっ・・・わけわかんなくなってぇ・・・でももっと深いとこ・・・身体が無くなるかと思って・・・ああっ!!!」 腹を撫でられ、たまに突かれる中で必死で言葉を紡ぎ、思い出して感じて、男に弄られ感じて、少年はイキながら話す。 必死で。 これが男のほしいモノなら。 これでいいなら。 「良かったんか?」 低い声。 「うん・・・うん・・うん・・・良かっ・・・ああっ!!!」 言葉の途中て激しく突かれて少年は言葉を失う。 いつもより少し激しく。 でも男は優しかった。 「かまへんわ。可愛いわ。こんなんありえんわ。でも、ええ。だから、全部言え。教えろや・・・」 男はそう言いながら、少年を立て続けにイカせる。 いつもなら蕩けさせて、優しくするのに、今日は少し激しく追い詰める。 そして少年の中の仮面の唾液を消し去るかのように、少年の中を自分の精液で満たす。 少年が痙攣するのをしっかり抱きしめて。 優しく背中を撫でるのはいつもと同じ。 でも。 終わらなかった。 「ここも気持ち良かったか?」 胸を舐めながら聞く。 腫れているソコを。 「髪みたいなので、熱く濡れてて・・・おちんちん扱くみたいに乳首しごかれて・・・気持ち良かっ・・・ああっ!!カリカリしないで・・・イクゥ・・・いったばかりなのに・・・」 少年の言葉を聞きながら、乳首を齧られ、少年はまた悶えて感じて男の頭に顔を擦り付ける。 男の頭を抱え込みながら。 「どうされた?」 男は囁いてくる。 「ぺろぺろされた・・・先っぽほじられた・・・おチンチンの穴ほじられてるみたいだった・・・」 少年は泣きながら告白して。 男にまたイカされる。 男が執拗に乳首の先端を舌でほじくるから。 「それから?・・・言えや、全部」 男の声はどこまでも優しく、行為も優しかったが容赦はなかった。 「聞かせろや・・・なぁ、全部言え・・・・」 男の声が響く。 「言えばそれは・・・オレとしてるのと同じや・・・」 男の言葉に従う。 何もかも。 話す 何もかも。 男が望むから。 男に与えられるものは全て。 与えたかったから。

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