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仮面 33
少年は全部言わされていた。
イカされながら。
仮面の怪異に乳首を肉厚の舌で包み込まれ、乳首を締め付けられるのがどんなによかったか、
舌が人間の性器や指では出来ない動きを穴の中でする度、中がじゅくじゅくとどれほど湿ってうねったか、
何度も何度も最奥をぶち抜かれ、さらにその奥を責められると、身体の輪郭が無くなるようだったかを。
「良かった・・・良かっからァ・・・もう・・許してぇ・・・」
男に追い詰められることはなかったから、こんな風にイカされ、焦らされることはなかったから、少年はぐしゃぐしゃになって泣く。
「可愛い・・・ホンマ可愛い。有り得んわ・・・」
優しい声で男は言う。
いや。
ずっと優しい。
酷いことは何もされてない。
ただ、聞かれるだけ。
男以外に犯される時の快楽を。
でも、それは責め立てるようではない。
「お前がバケモンにここで感じることを仕込まれても」
男は腹を押す。
仮面の怪異に中から舐められた場所を外から押しているのだ。
それに感じる。
そんな所まで、もう感じる身体になっている。
「それはオレがしたんと同じや。オレに言ったらそうや。いいか?この先お前が誰かや何かとしてしまっても、や。それをオレにどうやったか言つたら、それはオレとしたんと同じになる」
男は何度も何度もそう囁く。
「だから言え。全部や。どうされて、どう感じたか全部」
男の声は。
甘くて。
優しくて。
少年は蕩けきった頭のまま、求められるまま、何もかもを話した。
男に嫌われたくないとも泣いた。
男は何度も何度も少年の中に放って。
少年を満たして囁いた。
ドロドロにイカされて。
溶けてしまって。
言葉だけがきざみこまれる。
「男に【どうだったのか】話したならそれは男としているセックスなのだ」と。
男は書き換えた。
少年のために。
蟲姫さまの庇護はあっても、そのペンダントを奪われることもあるかもしれない。
少年が怪異に狙われるのは仕方ないことなのだ。
少年がこの先無事でいられるかなんかわからない。
犯されることを想定せざるを得ない。
怪異はどうにかなるものではない。
人間相手とは話が違うのだ。
殺すことさえ難しい。
だからこそ、少年の心を守らないといけない。
皮肉にも少年は男が好きになってしまったからこそ、他の何かに犯されることに耐えられなくなるだろう。
今までは自分を守る術を持っていたのに、男に嫌われるかと思うだけで、それに耐えられなくなるだろう。
だから。
書き換える。
言いさえすれば。
男が喜ぶことにする。
正直。
他の何かに少年が犯されるのは気に入らない。
だが、仕方ないなら、それはそれとして受け入れる。
何より少年がそれに苦しむなんて真っ平だった。
生きて笑って。
そんな少年を甘やかして優しくしたいのだ。
それに。
「言わせて楽しむなんて性癖が・・・自分にあるとは思わんかった。でも、ええ。お前なら何でもええ」
男は笑った。
「バケモンに穴のここ舐められどうやった?」
聞きながら舐める。
男の精液を垂れ流し、ぽっかりと空いたまま、まだ閉じない穴を。
「熱くて大きかったァ・・・すごい濡れててぇ・・・ひぃっ・・・あぁっ!!」
少年が泣いてまたイクのを楽しんだ。
可愛い。
可哀想で可愛い。
たまらなかった。
オレの。
オレだけの。
セックスの相手に執着したことはなかった。
誰にでもそれなりの好意以上は感じず、特定である関係を必要だとも思ったことはなかった。
それが変わった。
少年を抱いてから。
面白半分で手を出してから。
可愛くて仕方ない。
昔実家で飼ってた、可愛がってた犬やネコみたいなものかと思った。
妹や弟を可愛いがっていたのと同じかと思った。
だが犬や猫、妹や弟とはセックスなんかしない。
これは違う。
これは。
特別だ。
それだけは分かってた。
「もう・・・無理ぃ・・・」
少年が泣くから許した。
いつものように泣くから。
怯えて、嫌われるのが怖くて、あんな風に泣いてないから。
もう、やさしくしかしない。
少年を抱くのは優しさだけでいい。
少年だけは優しくする。
自分の欲望を優先して抱いたりしない。
それはもう決めていた。
「よしよし、風呂入ろうなぁ・・・」
男は少年を抱き上げ頬擦りした。
いつものように男にしがみつく少年に、微笑む。
これでいい。
これで。
誰に抱かれようと何に犯されようと。
少年は。
男だけのモノのなのだ。
男は優しく少年にキスしながら風呂に向かった。
とりあえず。
血が飛び散ったような部屋の惨状とベッドで気絶してる知らないガキについては。
また後で考えることにした。
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