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仮面 38

「メスイキしたいか?・・・したいわなぁ」 男が笑う。 揶揄うようであってもそれは優しくて愛しげで。 少年は自分に廻された男の腕をぺろぺろと舐めて、悶える。 欲しいのは腕じゃない。 男のペニスだ。 咥えたい。 舐めたい。 それを奥までぶち込んで欲しい。 出さないで中だけでイキたい。 そう口にすると、男はさらに楽しそうに笑った。 でも、指しか与えてくれない。 これじゃ、中だけでイけない。 今は少年を後ろから抱き抱えて、穴と乳首の両方を責めるのをイガラシに見せつけているところだった。 イガラシは二人を見ながらまた声をあげて射精している。 穴を弄りながら。 もう、イガラシはペニスに触れることさえしない。 イガラシの快楽を得る場所はもう穴になってしまっていたのだ 。 「お前もオナニーしたどうや」 男は背中を向けたままの彼に言った。 見える首筋を真っ赤に染めたまま、彼は微動だにしない。 「アホ抜かせ!!俺は、そんな、せん!!」 動揺しているのがわかる。 珍しい。 「オレの弟にガンガンやられるとるんやろ?アイツケダモノやからめちゃくちゃにされとるんちゃう?」 そこは意外と本気で心配そうだった。 彼の恋人である、男の弟は自覚のないサディストなのだ、と少年は男から聞いていた。 罪悪感なく人を傷付ける可能性のある弟を両親や姉と共に、人間社会に生きていけるように仕込んだのはこの男なのだ。 男は性的なモラルには問題がかなりあるが、それ以外ではかなりマトモな人間でもある。 公開セックスしながら、他人の性事情を心配するのはマトモではないけれど。 でも。 性的にマトモって何? 少年もマトモをしらないし、彼もセックスはサディスティックな恋人しかしらないし、イガラシは怪異からの快楽しかしらない。 この場にセックスに関してマトモな感覚を持っている人間などいなかった。 「知らん知らん知らん知らん!!!!」 ヒステリックに彼が叫び 「メスイキしたい・・・したぃ!!」 少年が叫び 指を止められないイガラシが咽び泣き、 男は笑って少年の首筋にキスをした。 地極絵図。 男以外なら全く楽しめない光景だろう。 でも男は十分に楽しんでいた。 少年の乳首の硬さや感触。 穴が指よりも大きいもの欲しがり締め付けるのも、 イガラシが見ていることも 羞恥に混乱する彼も。 この狂った状況も全部。 そして。 来た。 それは予定通りに。 欲情仕切った少年の精気にあてられて。 やってきた。

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