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第5話 縁再び(1)

「あ」 「あ」  翌週の二十時頃、隣り合った席で、碧は再び武彦に遭遇した。 「偶然ですね、森宮さん」 「ほんとですね」  驚いた碧に、武彦が遠慮がちに言った。 「よろしければご一緒しませんか? 俺は途中で寝ちゃうかもしれませんが」 「いいですよ。肩、貸しましょうか?」 「いえ……! そこまでは申し訳なくて……」 (この人、何しに映画館にきてるんだろ?)  今日も先週と同じ『グッドマン』シリーズのリバイバル上映がかかっている。確か先週、武彦もファンだと言っていたが、眠ることを前提とした様子から、碧はその目的を訝った。  その日も一時間ほどすると、隣から静かな寝息が聞こえてきて、碧は苦笑しつつ、映画のスクリーンに大写しの主人公に身を任せた。  その日は手を握られることはなかったが、かわりに上映後に目覚めた武彦に、食事に誘われた。

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