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第47話 愛を交わす(3)

「ついでに言うと俺、碧で何度か抜いてるからね? どんな顔するんだろうって想像しながら。もっと言うなら身体つきとか想像しながら……」 「ゃ……」  驚きとともに、拒絶の言葉が出てしまう。初めて身体を重ねようとしている時に、こんなことを言うなんて、反則だ。 「俺の妄想上の碧は、すごくエッチで、俺の上に乗って腰振ってくれる人だったよ」 「な、にそれ……っ」  言うなり武彦の手が、ぎゅ、と力を込めて碧の手を握る。 「でも、恥らう碧も大好き。どっちも好き。……嫌?」  その瞬間、碧は骨の髄から悦びに似た感情が指先へと拡散していくのを感じた。この人が好きだ。ひとつになりたい。そういう情動が、心という器から溢れ出し、零れ出てきてしまう。 「ゃ、じゃ、ない……っ」  震えた声を上げると、武彦はそんな碧をそっと抱きしめた。 「確かに一兄は俺のちっちゃな頃から色々知ってるけど、今からすることは、碧だけしか知らない」 「武彦……っ」 「だから、──俺しか知らない碧のこと、教えて?」  そう鼓膜に囁かれて、碧は落ちた。

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