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17歳の冬1
気になる人にクリスマスの予定を聞くのって少し緊張しない?
僕は相変わらず学校ではブレインと一緒。
放課後はライアンと一緒。
2人と知り合ってもう5ヶ月。
僕は2人のサポートで平和な学生生活を送れてる。
アメフト部の連中やシェーンとは距離を置けてる。たまに、シェーンの視線を感じるけど出来るだけ離れるようにしている。
「おはようございます、アンダーソンさん」
「あらブレインおはよう!いつもカートのお迎えありがと」
ママとブレインはすっかり仲良し。
「いえ、僕が来たくて来てますから」
「優しい子ね!カート!ブレイン来てるわよ」
「うん、もう準備できてる」
ブレインのお迎えも日課。
コレで僕たち付き合って無いんだ。
手も繋がない。
キスもそれ以上も。
最初は緊張してたし、色々考えて怖くなってしまったけど、、、僕はブレインが好きだし出来れば関係を進めたいんだけど。
今週末はクリスマス。思い切って誘ってみようかな。
2人で学校へ向かっていると、何だか黒塗りの高級なバンが3台も対向車線に駐車してある。
「なんだか今日は車が多いね」
「そう?
それよりカート、君に言わなきゃいけない事があるんだ」
「僕もある!ある!どうしよう、どっちが先?」
緊張する。
「じゃあ僕から、、、」
ブレインは真剣な顔だ。まさか告白される?
「そろそろ転校するんだ」
僕を真っ暗な穴へ一瞬で突き落とす言葉だった。
嘘。嘘。そんな!
ブレインと離れたく無い。
僕の事、何とも思って無かった?
僕の勘違い?
毎日一緒に居るのはただの友達で。
褒めてくれるのはリップサービスで。
ブレインが居なくなったら、また1人。
イジメられて、ビクビクして、逃げ回って。
「カート?大丈夫?」
「え?ああ、うん大丈夫。どこに転校するの?」
「それは、、、」
凄く言いにくそう。
「カート、クリスマスに君の好きなムーラン・ルージュを観に行かない?」
「いいよ」
「その時に全部話すよ」
念願のクリスマスデートなのに、僕は目の前が真っ暗になった気分だ。
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