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17歳の冬2
「今日はどうした?暗い顔して」
放課後、道場に行くとすぐにライアンに気づかれた。
「僕そんなに顔に出るタイプかな?」
「全部出るタイプだよ」
「ブレインにクリスマスデートに誘われた」
「良かったじゃないか、何で落ち込む必要がある?」
僕は最近、ライアンから合気道も習っている。
今やっているのは呼吸投げからの隅落とし。ライアンの手を掴むと左腕を支点に力の流れを利用し肩から一気に捻り上げ相手を倒す。
僕はライアンを床に倒しながらため息をついた。
「ブレイン転校するって」
「そうなのか?えらく急だな」
「どこに転校するのかもまだ聞いてないけど、、、また学校に行くのが憂鬱」
「カート、君なら大丈夫だろ?これだけの力を身に付けたんだ。もうイジメられないさ」
「そうだと良いけど」
ライアンは何でも相談出来る兄みたいな存在だ。
放課後、独りぼっちだった僕に居場所をくれた。
イジメに対抗する力もくれた。
僕はいつかライアンに何かしてあげられる事があるんだろうか?
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