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17歳の冬5
結局、あれからライアンの告白は保留にさせて貰った。
僕は凄く混乱しているし、焦っている。
魔法なんて無い?
僕は騙されてた?
ブレインは存在しない?
僕が好きになった人はどこへ行ったの?
「探さなないと」
やっぱり騙されていたなんて信じられない。
「ブレインの命がかかってる」
僕を信用してスマホを託してくれた。きっとこの中に手掛かりがあるはず。
「家に居ても何も出来ない。学校の事務局に行ってみよう」
転校した時に何か書類を書いたりしているかもしれない。
小さな事でもいい。何か、、、何か情報が欲しい。
翌日僕は朝からWinter break(冬休み)の学校へ向かった。
休暇中でも一部の学生や教師が学校に居る。
事務局のある南校舎の前まで行くと黒塗りのバンが停まっていた。
「あれ?そういえば先週、、、家の前にも黒のバンが停まってた、、、」
僕は正面から南校舎へ入るのをやめて、裏手に回る。
非常口からこっそり中を覗くと黒いスーツに黒のサングラス姿の男2人が事務局で職員に話を聞いていた。
声が聞き取れる距離までこっそり近づくと「では、ブレイン•アンダーソンに関する情報が分かれば連絡下さい」と話していた。
ブレイン!姓は僕と同じアンダーソン?
スーツ姿の男達が何者かは分からないけれど、ブレインを探している。
一旦、南校舎から離れようと非常口へ出た所で後ろから腕を掴まれた。
僕は咄嗟に手首を捻って相手を床に投げた。
「いって!ちょちょちょっと待て!」
相手はシェーンだった。
「シェーン?!」
「ブレインから伝言頼まれた」
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