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18歳の夏9
「やっ」
ライアンの肩を押そうとしたら逞しい腕に手首を掴まれた。
「拒むなよ、カート」
そしてそのまま筋肉質な胸元に抱き寄せられた。
知ってる。ライアンの汗の匂い。
「ライアン、、、」
どうして僕はライアンを振り払えない?
心臓がドキドキして耳が熱い。
クラクラする。
ダメなのに。
ライアンの胸に顔を埋めていると再びアマンダの声がした。
「お姫様?どこに行ったの?」
その声に我に返る。
コレはライアンじゃない、、、
「ア、アマンダ!こっち!」
ライアンの腕を振り解くとアマンダの声のする方へ走り出した。
「キャッ!!」
「ウワっ!」
アマンダと正面衝突してお互いに尻餅をつく。
「痛ったいわね!」
「ご、ごめんね」
「早くこっから脱出するわよ!こっち来な」
今度はアマンダが僕の手を引いた。
多分、この手は本物。
パパやブレイン、ライアンみたいな偽物じゃない。
何でか、アマンダの行く方向には恐怖を感じない。
女の子の柔らかい手だ。
「こっちよ!ここから外に出られる」
アマンダに手を引かれ古い木製のドアを潜ると最初に居た廃倉庫の外に出た。
振り返ると霧は消えて、倉庫には誰も居ない。
「アマンダ、ありがとう」
「大丈夫か?カート!」
外にはシェーンも居た。
まるで夢から覚めたみたい。
「あいつら、一体何なの?2人とも説明してくれるわよね?」
僕とシェーンは顔を見合わせた。
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