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18歳の夏15
「確かこの辺に、、、いや、こっちか?」
ライアンの部屋はブレインの部屋よりも更に男っぽい部屋だ。
タバコやお酒の匂い、ライアンの香水の匂い。
打ちっぱなしの天井、ギシギシと軋む年季の入った床。
奥にある大きなベッドに寝かされた。
ライアンは僕を寝かすとすぐにキッチンで薬を探してくれているらしい。
「あった、コレだ!ウワっ!」
ガシャっと何かを落とした様な派手な音がした。
慌ててるライアンなんて珍しい。
「カート、薬だ」
ミネラルウォーターのボトルと一緒に解熱剤を持って来てくれた。
「何か腹に入れた方がいいか、ウチにまともな食い物あったか?!」
すぐ立ち上がりキッチンに戻ろうとするライアンを引き留めた。
「大丈夫、薬を飲んで少し休んだら帰るから。ライアンは道場に戻って」
「本当に大丈夫か?」
「うん、シェーンが来たら帰るよ」
「体調もだけど、ブレインの事。大丈夫なのか?また行方不明なんだろ?」
「大丈夫、、、」
「本当に?」
ライアンがそっと手に触れた。
ゴツゴツしてて男っぽい手が優しくそっと僕に触れる。
「不安だけど、僕には待つ事しか出来ないから」
「そんな関係フェアじゃないだろ」
「ブレインには事情があって」
「俺ならどんな事情があっても、お前を放って置かないし不安にさせねーよ」
「ライアン、、、」
いつも僕を心配してくれる強くて優しい人。
「お前への気持ちは、断ち切るつもりだ。、、、でもブレインがお前を放って置くつもりなら、俺も、、、」
辛そうな顔させてる。
ライアンのこと大好きだけど、、、
いつもキラキラ楽しそうで、優しいブレイン。
でも弱くて、とても孤独で、寂しがり屋。
自惚れかもしれないけど、ブレインは僕が居なくなれば壊れてしまう繊細な人。
彼を裏切って、ライアンの手を取れない。
もしかしたら、ブレインと出会わなければ、、、
僕はライアンに恋していたかもしれない。
「ごめんなさい、、、」
ライアンの手を取ればまた違う人生があるのかもしれない。
でも、僕はもう、、、選んでしまった。
ブレインを。
「悪かった。お前を困らせるつもりは無い。泣くなよ。俺はお前の涙に弱いんだ」
ライアンは額に優しいキスをしてから立ち上がる。
「俺はもう戻るから少し休め。鍵はコレ。返すのは何時でもいいから」
スペアキーを渡された。
ブレイン、どこにいるの?
今、1番会いたい。
寂しさでライアンの手を掴まない様に、僕は自分の膝を抱えた。
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